先日、知人が唐突に言った。
「今住宅って買いどき?」
ん?そんなもん、欲しいって思った時が買いどきですがな。
って答えたら、えらく落胆した。
すると、彼はおもむろに、鞄から雑誌を取り出す。
プレジデント最新号「土地・マンションおトク大図鑑」
いやしかし、・・・(汗)
もう少し気の利いたタイトルが付けられないものかね。(辛口)
近頃、やたらとおトクだとか、買いどきだとか、そんな類のフレーズを聞く。
まあ、見方によってはそうとも言えるが。
確かに、歴史上ない低金利。加えて、安倍さん効果か、まだ何も始まっていないというのに、妙な期待感だけ高まって、気の早い営業マンは、不動産これから上がりますから!なんて鼻息荒く売り込む。
事実資金が流れ込んでいる節はある。
ごくごく限られた都心一等地の商業地、大規模物流施設。
一方住宅地は、というとまだまだグレーゾーン。
消費税増税前に!なんて駆け込むのは「愚」としか言いようがない。
結局、住宅価格なんて、需要と供給で決まる。どわっと需要が増えれば上がるし、買う人いなくなれば下がるわけですよ。
そもそも、自宅として買うのに、今お買い得だから買っとこう、って買う人いますか?
スーパーで大根買うのとわけが違う。
思うに、家を買う時って、新しい家族が増えたからとか、こういう生活をしてみたいとか、何か人生の中でライフスタイルの変化みたいなものがあって、それを実現させるための器として、家を買うと思うんです。
自分のライフスタイルが描けないうちは、生活がイメージできないから、どういう物件選んでいいのかも分からないはず。というより、選べないはず。
確かに、住宅は金融商品であると断言する。
資産を形成するという意味で。
しかし、住宅はプライスとしての価値と同時に、お金では換算できない、プライスレスとしての価値があることも付け加えておきたい。
それは、個人が持つ夢や思い出、生活の営みを包み込む器としての住宅の価値。
それを、「はーい!只今大セール!お買い得ですよ!!」
ってなノリで買える人がいたら、お目にかかりたい。