対決!新耐震 vs 旧耐震

 

戦わずして、勝敗あり。

わざわざ、取り上げて書くまでもないでしょうよ、

なんて、ダメだし食らいそうなタイトルだが、

しかし。

building_top

 

建築物の耐震基準の考え方は、昭和56年6月でガラリと変わった。

宮城県沖地震を教訓に、法律が変わったのだ。

 

旧耐震基準が震度5強程度の揺れに対して倒壊しないこととする、のに対し、新耐震基準は、極めて稀に発生する(実に曖昧・・)震度6強程度の揺れに対し倒壊しないこととしている。

かなり大雑把すぎる区別だが、概略はそういうことだ。

 

誰が考えても、新耐震基準で建てられた建物に軍杯が上がるだろう。

そもそも、旧耐震の建物は基準不適格ということだ。

 

ちなみに昭和56年というと、築36年を超えてくる。

相対的に数は少ないが、それでも中にはポツポツある。

 

立地だけがモノを言っているような超高級住宅街に建つ建物や、

誰が決めたか、ヴィンテージものと言われる建物。

 

で、不思議なことに、旧耐震でありながら、こういった建物の価値は決して低くない。

モチロン、耐震補強をしていれば話は別だ。

 

基本的に、不動産取引は、相対取引。

このくらいで売りたい。

いや、このくらいじゃないと買わない。

そうやって、価格が決まる。

ところが、立地と築年数だけでしか価値を判断できない不動産屋や仲介さんによって、半ば決められているのが事実。

土地にブランドをつけるんですな。

地位(じぐらい)というやつですわ。

 

確かに立地のよさは、不動産の価値を上げる。

が、その上物の建物と比べて不当にバランスの悪い評価はどうかと。

 

と、思っていたところ、国交省が何やら作戦中らしい。

耐震基準を満たした建物に認定マークを与え、満たしていないものは改修や建て替えを勧告、ウソの表示をしたら罰金、などなど、認定制度のような仕組みを考えている。

ほー、なかなかやるな。

 

国土交通省が、阪神淡路大震災以降取り組みを始めている、耐震改修促進法。

平成27年までに、住宅や不特定多数の者が利用する建築物の耐震化率を、少なくとも9割にすることを目標としている。

しかし、お金のかかる耐震補強なんて、自宅ならまだしも、賃貸オーナーさんが進んでやるかというと、まずもってやらない。とりあえず今使えてるし、てなもんで。

 

この仕組みがうまく機能するには、お金の後押しも必要でしょうな。

いえいえ、汚いお金じゃありませんぜ、お代官。

お金を貸し出す側の金融機関が、基準を満たさない建物にはお金を貸さない、ぐらいの断固とした態度をとるようになれば、不動産の正当な評価の仕組みが、一気に加速する・・・と青図を描いているのだが。。どうだろう。

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