再建できない建設会社 63社

 

円安株高が続き、このところの景気持ち直し期待と裏腹に、

路地裏で蔓延する業界病。

というと、少しヘビーなので、軽くさらっと。

 

先週末、東海興業が2度目の破綻という、痛いニュースが流れた。

東証一部上場、マンション建設などを中心に手がける建設会社。

バブル崩壊後に会社更生手続きに入り、一旦手続きは終結するが、リーマンショック時に、広島の有名デベ章栄不動産の倒産で大打撃を受ける。

その後も金融機関から資金を調達するなどして、生きながらえていたが、東日本大震災の影響による資材、人件費の高騰で、資金繰りが行き詰まった。

 

帝国データバンクの調査によると、民事再生法を適用し、再生手続きを終えた建設会社が、再び倒産した件数、なんと63社。

つまり、再建手法をとっても、立ち直れない会社が多いという結果を示している。

ちなみに、同じく帝国データバンクのデータだが、2010年3月時点の再倒産率は、建設業がNo.1という統計が出ている。

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           (資料:帝国データバンク)

建設業は、多くの場合その事業資金を持ち出しで行わなければならない。持ち出し→回収と、うまく回転すればいいのだが、前述のように、事業主が破綻してしまうと回収できない。しかも、一件当たりの資金は巨額に上る。

だから、一つ歯車が狂うと、とたんに窮地に追い込まれる。

その結果が統計データの示すところだ。

 

中小企業の資金繰りを支えてきた「中小企業金融円滑化法」は3月末で終了した。

景気浮上と期待が高まるが、これらの中小企業に好影響が出てくるまでには時間差がある。

仕事はあるが持ち出す資金がなければ、指をくわえて見ていなければならない。

法の終焉で金融機関が財布の紐まで閉めてしまわないよう願いたいところだが。

 

今後民生を申請する中小企業も増えてくるかもしれない。

しかし、前述のデータが示すのは、本当に再建できる企業は限られているということだ。

 

再建できないもう一つの理由がある。

 

中小企業はほとんどがオーナー企業。

しかも、トップはだいたいが年配創業者。

高度成長期に見事に成長し、会社を大きくしてきたサクセスストーリーを持つ。

 

彼らが、自らの成功体験に固執し、イノベーションを試みようとしない経営体質が

会社の存続を危うくする。

社会が変化していることに気づいていないのだ。

いや、気づいているのだろうけれど認めたくないのかもしれない。

 

社会は変化している。

しかもスゴイ早さで。

 

ここで今日の格言。

いつまでもあると思うな「仕事と会社」

 

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