シェールガスの台頭が国際勢力の変化を巻き起こす(かもしれない)という話

 

エネルギーは我々の生活に欠くことのできないものであると同時に、歴史的なエネルギー革命は、我々の生活そのものを変えてきた。

石炭から石油にとってかわり、そして原子力へ。

世界各地で深刻な原発事故と化石燃料の環境破壊が問題視されつつある今日、

再生可能エネルギーの開発と実用化に注目が集まる。

が、エネルギー効率の低い自然エネルギーは、なかなか導入が進まなかった。

 

昨年、政府による固定価格買取制度が始まって、企業が遊休地などを活用し太陽光パネルをせっせと設置し始め、急速に自然エネルギーの導入が進んだ。

そう、あの孫さんでさえも。

当初の固定価格42円に固執したのも、孫さんだったという噂もあるほどだ。

1kwh当たり42円以下では利益が出ません!といって断固として譲らなかったらしいが・・(スゴいわ)この買取コストは、当然我々の電気使用料金に上乗せされて、毎月徴収されてます。

要するに消費者が負担してるということ。我々が、彼らの利益を出すために身銭を切っているというのも、なんだか複雑な心境だが。

 

さて、前置きが長くなったが、このエネルギー供給が、また大きく変わろうとしている。

巷でよく耳にする「シェールガス」だ。

シェールガスとは、シェールすなわち頁岩層(けつがんそう)から採掘される天然ガスだ。

頁岩層は地下2000~3000mに堆積する、泥が固結してできた岩石。

EIA(米エネルギー情報局)の資料によると、その埋蔵分布は世界各地に広がっている。

米エネルギー情報局
米エネルギー情報局

以前からこのガスの採掘は行われていたらしいが、いかんせん莫大なコストが掛かり十分にペイしなかった。

が、アメリカで採掘技術が発達したことで生産性が格段に伸びた。

これが、今後再び革命を起こすかもしれない。産業的な変化というよりも、国家勢力のバランスに変化が起きるだろうことが予想される。

国家間の争いは、民族や宗教的争いを除いては、その利権の奪い合いだ。

尖閣の領土問題の件で中国が騒ぎ始めたのも、事実そこに莫大な資源が眠ることが判明してからだ。

 

もし、アメリカから安価な天然ガスが輸入されるようになると、原料高で値上げ値上げと騒いでいる電力会社もおとなしくなるかもしれないし、各産業にとって、エネルギー資源が安くなることは、資源輸入国の日本にとってはプラスになる。

そして、高くても買わざるを得なかった天然ガスをはじめ、石油、石炭などを保有する資源国は、必然的にこのシェールガスとの価格競争に突入する。

そう、資源をもっているから安泰だとは言えない時代がやってくる。

 

ただ、シェールガスにもまだ課題はあるようだ。

固い岩石に、水圧破壊で人工的にひび割れをつくり化学薬品を注入する採掘方法が、環境を破壊するものだという指摘がある。

 

表舞台に登場してくるまでには、もう少し時間がかかるかもしれないが、それでも確実に革命的変化の足音は、すぐそこまで近づいてきている。

 

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