IKEAが挑む「家」づくり

 

IKEAといえば、言わずと知れたスウェーデンの家具販売店だ。

日本にも、一時撤退した時期はあったものの、横浜、船橋、三郷、神戸、福岡、仙台、大阪、そして来年、東京立川にも出店するらしい。

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余分なサービスを一切排除しているため、その低価格は定評。

にも関わらず、北欧の垢抜けたデザインが、高い人気を誇る。

 

何を隠そう、ワタクシ、密かなIKEAファン。IKEAファミリー会員でもあるんでざんす。

家具は基本全て自分で組み立てる。

デスク、本棚、アームチェアetc、ドライバー片手に、黙々と一人奮闘したサ。

取説はイラストなので、英語力が恐ろしく弱い私でもデケタぞ。

 

さて、前置きが長くなったが、このIKEAが、ついに「家」を提供し始めた。

そういえば、無印良品も住宅事業始めておりますな。無印良品の家とかって。

ちょっと前に、フカヒレの件でえらく騒がれておりましたが、個人的にはこの企業、信用しとります。騒いだ奴らは、シーシェパード一族と繋がってたらしい・・・。

おっと、脱線してもうた。

 

IKEAの「家」は少し違う。

「家」というには少し語弊があるかもしれない。

それは、難民向けの「シェルター」。

難民キャンプのテントの代わりに、組み立て式の「家=シェルター」を提供する。

国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)や、スウェーデン工業デザイン基金(SVID)の関連団体であるRefugee Housing Unit(RHU:難民用住宅ユニット)の設計者チームと協力し、多くの難民が置かれている住環境を全面的に見なおそうとしている。

 

このシェルターを組み立てるのに必要な時間は4時間。テント組み立てに要する1時間と比べると長いが、他の道具が必要ないので、パッケージが届けばどこでも組み立て可能ということだ。そして、軽量ポリマーでつくられた資材は、テントに比べると格段に耐久性が高い。

しかも、小さなソーラーパネルまで設置されており、室内の照明などの電気を供給できる仕組みだ。すげー。

 

2010年の時点で、難民の数は世界全体で3600万人を超えているらしい。知らなかった。。

そして、その1割の350万人ほどの人々が、未だにテント生活を強いられているということだ。

実際に私自身、黒柳徹子さんのように難民キャンプに赴いたことはない。実際にどんな場所かも、どんな気候かも、どんな風土かもわからない。

けれど、過酷な住環境であることには違いないわけで、平均滞在期間12年、テントで生まれ育った子供たちは、これが我が家だと信じて育つ子もいる。

なんてことだ。

 

IKEAのシェルターは、現在50点ほどの試作品が、イラク、レバンン、エチオピアなどでテストされているらしい。

テントに比べて、まだまだコストが追いつかないが、それでも量産できれば、同額近くまでいく可能性がある、と生産側は期待する。

 

そもそも、量産の必要性があっては困るのだが・・・IKEAのこうした取り組みにエールを送るとともに、

難民が生じることのない世界でありたいと、ただ切実に願う。

 

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