まだ、ユーロが流通していなかった頃、ユーレイルバス(ん~懐かしい響き・・コレまだあるんですかね)とトーマスクックの時刻表を片手に、ヨーロッパを鉄道で旅したものである。
ヨーロッパ大陸はは周知の通り、昔から鉄道が発達していて、ほとんどの国を鉄道で渡り行くことができる。
島国日本とは大違いだ。
そして国境を超えるたびにパスポートチェックに人がやってくる。
アムステルダムからウィーンへ向かう夜行列車。
2人のごつい体格の男が、コンパートメントのドアをノックする。私以外同席者はいない。
パスポートチェックだ。
「どこから?」
「アムステルダム」
そう答えると、いきなりスーツケースを開けろ、と始まった。
な、ナニゴト???
ワサワサ、ワサワサ、隅々まで引っ掻き回す。
一通り引っ掻き回すと、ぐしゃぐしゃのスーツケースのまま、
「Finsh」と言って出ていった。
こんにゃろ、♀だと思ってなめやがって!
なーにが、Finishだ!
と、内心つばを吐いてやりたい気持ちを抑えつつ、夜行列車に揺れながら次なる目的地へ向かった。
当時は、この意味がよくわからなかった。
が、後になって、あーナルホド、と思った。
オランダは、ドラッグ(マリファナ)が合法なのである。
街中のカフェで、普通に買える。
彼らは、私がドラッグを持ち込んでいるのでは?と疑って、調べていたのである。
(全く失礼なこった)
ついでに言えば、売春も合法。
日本の男性の皆さん、正々堂々と女性をお金で買いたかったら、オランダへ行きなはれ。
オランダといえば、風車とチューリップ。
極東アジア日本から見たオランダのイメージはのどかな田園風景をイメージさせるものかもしれない。
学生の頃は、やたらとレム・コールハース(オランダ出身の建築家)が人気で、私には彼のよさはちっとも分からなかったんですけど、何故か友人らは皆、コールハースを絶賛しておりましたナ。
あ、そうそう、新国立競技場のザハ・ハディットさんも彼の事務所出身らしいよ。
おっと、話を戻して。。
のどかなイメージのオランダながら、お国事情には仰天ビックリだったりする。
と思えば、マリファナはさておき、売春については、ヨーロッパ各地で合法化されつつあるそうだ。
(今、あなた、にやってしたでしょ。)
ドイツ、デンマーク、ベルギー、スイス、オーストリアetc・・・
合法化する理由は、禁止しようがしまいが、こういうものはなくならないわけだから、エイズの蔓延や反社会的組織によって彼女達が支配され人権が迫害されるなら、きちっと認可制にして衛生管理を義務づけさせる方が、ずっと良いでしょう、と言うことらしい。
なんて、合理的。
日本では、大麻所持は違法だし、売春も建前上は違法。
でも実際は、大麻でないと抑えられない痛みに苦しんでいる人はいるだろうし、暴力団組織に自身の意思とは無関係に働かされている売春婦もいると思う。ただ、分からないだけで。
アメリカのように、鎮痛剤に限って大麻の使用を認めるとか、認可制にして一定のルールの下で売春を認めるとか、そういった柔軟な考え方を、今後の日本も取り入れていってもいいんじゃないでしょうかねー。
ホント、世界の流れに置いてかれちゃいますぜ。