以前のエントリーにも書きました、なぜ空き家が増え続けるのか。
2008年の総務省調査では756万8000戸。(今は更に増えていると思いますが)
30年間で、実に3倍。
単純に人口減っていうことはもちろんですが、相続した所有者が遠方にいたりしてきちんと管理できず、んで、貸そうにも借り手が見つからず、もちろん売ろうにも売れず、てなことで、ボロ家がそのまま「放置」状態になってしまっているのが現状。
所有者も、解体して更地にするよりは、ボロ家でも上物があった方が固定資産税が安いので、そのままにしておく、というわけ。
都心でにわかに(いや、かなり)不動産ブームが再燃しつつある一方、地方での空き家問題が相当深刻なことになっているのも、これまた事実。
建物というものは、きちんと管理されていないと、ビッグサンダーマウンテンのごとく劣化が進行するわけでして、みるみるボロ家と変貌していくのであります。
そうしたボロ家は、震災で倒壊する危険度が高まるだけでなく、火遊びで火災をき引き起こしたり、犯罪の温床になったりと、周囲の人たちにとっては何一ついいことはない。
が、そんなことも、所有者は遠くにいていざ知らず。
親の資産なんでとりあえず相続しました、でも移り住むつもりはないし、不動産の扱いも慣れてません、てな困った相続人がいらっしゃいます。
ですが、今自民党が検討中の「空き家対策法案」が可決されますと、不動産相続はさらに厄介な「お荷物」となりかねない。
どういうことかと申しますと、「老朽危険家屋」と認定されてしまうと、固定資産税の優遇も受けられなくなるばかりでなく、自治体の判断で強制的に建物を解体し、その解体費用は所有者に請求できるというもの。
いくらボロ家ったって、数百万はかかります。
もちろん、「老朽危険家屋」と認定されなければよいわけで、キチンと管理できていればよいわけです。
まあ、まだ決まったわけではないですけど、今の惨状を考えると遠からず何かしらの対策が法的になされるのではないかと見ております。
相続はいいことばかりじゃないよというのは、誰しも重々承知しているとは思いますけど、不動産は預金のように放置しておけばいいってものでもない。
日本人は元々農耕民族ですから、定着した「自分の土地と家」を所有していると、なんか安心だよね、みたいな感覚ありますけれど、住むつもりがない、賃貸するつもりもないなら、早々に売却して身軽になるほうがいいかもね、というお話。