グローバル化する(かもしれない)建設業界と移民

 

1億2729万8千。前年比21万7千人減。

先日発表された2013年10月1日現在の日本の総人口である。

(資料:総務省統計局)
(資料:総務省統計局)

 

生産年齢(15~64歳)は7901人、全体の62%。総務省の推計では2050年にはこの割合が51.5%まで下がると予想している。これは世界最低。

 

話はかわりますが、ご存知の通り、このところの建設・不動産セクターはBig Waveが押し寄せておりまして、どこの現場も人手不足で嬉しい悲鳴を上げております。

とはいうものの、資材価格が異様に高騰しておりまして、それに輪を掛けるように人材不足による労賃高騰でダブルパンチ。

直に価格に転化できない故、実は苦境に追い込まれているのが実情でございます。

電気やガスのように、原料費が上がりましたので単価を上げますんでよろしく、なんてお気楽なものではございませんのヨ。エネルギー会社はえ〜の〜。

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で、この人手不足を解消するために、海外からの労働者を積極的に採用してはどうか、という話がありまして(なんか、介護の世界でもそんな話あったな・・)、移民受け入れについて、お偉い方々、検討をし始めているようであります。

 

移民受け入れ自体、私は反対ではない。

江戸時代ではあるまいし、日本単独、孤立して生きられる時代は既に終わった。

人もモノもサービスも、自由に流動しなければ、その発展はない、と信じている。

 

しかしだ。

(たぶん、お偉い方々は重々承知のことと思ってはいるんですけど)人がいない?、じゃあ他から集めようでは、社会がうまく回らないことは明らかです。

 

日本と同じような島国の特質を持つ英国も、かつて第二次世界大戦後の人口減に対し、他国からの移民受け入れ態勢で臨み、大量の移民流入が起きた。それにより、移民の多い居住区では偏見がはびこり、人種間での衝突、人種暴動が起こる。

最近では、移民に寛容な、あのスウェーデンでさえ、原住民と移民との間の摩擦が広がり、暴力事件にまで発展している。

 

もちろん、ルールは必要ですよ。

しかし今、日本人が、ヨーロッパ人と比べてどれほど移民に対して寛容に、そして柔軟に対応できるのだろうか。

以前と比べ、グローバル社会が浸透してきたとはいえ、「よその国」に対する日本の寛容さが、西欧のそれらよりも優れているとは到底考えられない。

 

しかも、建設業界ってのは、とかく古いしきたりというか、柔軟性に(著しく)乏しいところがあるわけで、一筋縄ではいかないように思うのであります。

そういう世界を嫌って、若年層離れが進んでいるのも事実だと思うんですよ。

不況時の低賃金を理由に離れていったんだ、という人もいますが、だとすれば、今の賃金上昇No.1の業界に、ドッと人が押し寄せてもおかしくないじゃないですか。

要するに、魅力のない世界になってしまているんじゃないかと。

 

そんなところに、どうぞ来て下さいって移民を受け入れたって、うまく行くわけないよね。

仕事をする場所も、住む場所も、そこに魅力がなけりゃ、すぐに人は離れていく。

 

移民受け入れを前向きに考えることは大事だけど、同時に魅力のある国づくりがもっと大事ではないかと思うわけです。

魅力があって住みやすい(まー、理想かも知れませんけど)、そういうトコには、何にもしなくても人が集まってきますから。

 

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