携帯を選ぶようにエネルギーを買える時代はもうすぐ(かも)

「電電公社」って言っても、今の若い世代には通じないのかなぁ。こんな風に言うと、すごく婆さんになったようですけど、今の「NTT」誕生前、国内通信は電電公社、つまり国営企業によって独占されていました。

1985年の電電公社の民営化によって、NTT(日本電信電話株式会社)になったわけですけれども、と同時に通信市場の自由化が始まって、新しいサービスやシステムを生み出す新規企業が参入。今では、私たち自由に通信会社を選べる時代、まあそれが当たり前になっております。

どうでもいいけど、昔、NTTから電話番号貰う時に支払った電話加入権、7、8万くらいだったと記憶してますけど、あれ、どうなるんでしょ?? 返してちょ。

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同じインフラがらみで、電力。

周知の通り、電力は一応、民営の電力会社が、各地域ごとに供給しているわけですけど、民営と言っても、ほぼ各地域ごと一社独占状態ですから、国営企業みたいなもんです。先の事故でも国が救済してますし。

 

「電力自由化」は、実は20年以上も前に国から提言がなされていて、これを受けた電気事業連合会が、重い腰をあげ審議を繰り返した末、2000年にやっと一部の自由化を認めた。

それから徐々に、自由化の範囲を拡大し、2005年に50kW以上の高圧電力需要者は、電力会社を(一応)自由に選択できるようになっている。

残る最後の低圧需要者、各家庭の電力も自由化を、と叫ばれ続けておりましたけれど、稼ぎ柱なのか、ガンとして譲らなかった各社ですが、とうとう全面的な自由化への法改正案が閣議決定されました。

ので、おそらくこの流れはとめられないでしょうな。

2年後の2016年を目指すらしいですが、それにしてもまた、急だこと。

 

低圧電力の自由化を各社が拒んできたことの理由として、安定した電力供給ができない、とのことでした。(本心はいざ知らずですけど)

高圧と違って、発電所で生産された電力を一般家庭で使えるようにするには、電圧を落とす必要がある。高圧ならば、発電所からそのまま送電すればよいわけですけど、一般家庭では、それでは使えない。

んで、トランス(変圧器)で電圧を下げる。電柱の上のほうにくっついている、ポリバケツのような形のもの、あれがトランスです。

発電、送電、共に独占状態ですから、電力会社にとっては痛い話。

でも、ようやく国も気づいたんではないですかね。既得権益を護ってるだけでは、経済が立ち行かなくなるって。

 

通信の世界を見ればよくわかる。新規参入があって、新しいサービスや低価格が実現したわけだし、新しい技術も生まれた。そして今はインターネットを通じて無料通話さえ可能になった。

全く同じとはいかないかもしれないが、おそらく、同じような技術革新が、エネルギー供給の世界にも訪れる。(と思う)

各社はそれぞれブランド化し、様々なエネルギー供給の形を提供するだろう。

私たちは、自らの意思で選択すればよいのだ。

高くてもクリーンなエネルギーを使いたいと思えば、再生可能エネルギーで発電した電力を買えばよい。とにかく安い電力を買いたいと思えば、化石燃料や原子力による電力を買えばよい。

市場の原理として、サービスや品質、価格、そうしたファクターがよりよいものを存続させるのだと思うのであります。

 

通信の自由化から、かれこれ、30年近くなりますなぁ。

自由に電気を買える時代が浸透するころには、ホントのおばあちゃんになってるかもしれませんけど、ちょっぴり期待しとります。

 

 

 

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