彷徨う新国立競技場にボソッと一言

 

一難去って、また一難。

やっとこさ、解体にまでこぎ着けたと思ったら、今度は工期間に合わない、、ですか。

まあー、そりゃそうでしょ。

解体が半年以上もずれ込んだんだから、フツーにいけば、そうなるよ。

あ、新国立競技場のことね。

(資料:日本スポーツ振興センター)
(資料:日本スポーツ振興センター)

 

当然予想されることを、(いろいろ検証してるものとは思いますけど)間に合わないので屋根なしで、なんてシレッと言われると、えーって驚きを通り越して、メチャ腹立ってきますわ。

間に合わないから屋根なし?!観客席を一部仮設?!

ギャグですか。

 

…と、怒りを爆発させたところで、少し落ち着いて考えてみましょ。フー

 

まあ、これだけ規模が大きくなると、いろいろスケジュール通りに行かないことは決して珍しいことではないのですけど、プロなら、当然そうしたリスクや、いざという時どうすればよいか、という隠し球を持っていて、んで、これ以上いくとダメだってことも分かっているはず。(だからプロなんじゃよ)

ま、部外者だから好き勝手なこと言えるのかもしれませんけど、それにしても酷い。

どんだけ無計画なんじゃと。

 

建築の実務的な面から冷静に考えて、計画を変更するということが、決してプラス面ばかりでないことは確かです。や、むしろマイナスの方が大きい。

実施設計がどこまで進んでいるのか分かりませんが、単純に線を消せばよいって話じゃないわけですよ。

設計って、単に線を描く2次元的なものではなくて、積み木を一つ一つ積み重ねていくようなもの。

なので、一つのパーツが変わると、他のところにダダダッて影響がでてくるわけです。

で、また積み木の積み直し。えらいこっちゃ、ってことでシコシコ直すわけです。

 

設計段階での変更は、作業の出戻りという時間的なロスが大きい。

確認申請(建築の許可を得るためにお役所に図面などを提出すること)の後だと、変更申請を新たに提出しなければならず、その手続きで、もっと大変。

 

とりあえず屋根なしで作って、後から施工する、要するに、建築的にいえば増改築に当たるわけですが、普通に考えればですね、コストアップになります。よほど資材費だとか労務費だとかが下がらない限りは。現場経費、仮設費用が、余分に発生しますんで。

ただでさえ、予算オーバーなんて言っているのに、さらにオーバーさせるつもりなのでしょうか?

責任者が身銭を切って、負担しますってなら、ハイどうぞ、ですが、これも税金なのですぞ(怒)。

なんつーか、行き当たりばったり的、責任感まるでなし的な言動に、いささか口あんぐり。

 

では仮に、期日までに工事が完成しなかったら、その建物を使うことができないのかというと、決してそうではありません。

通常は、建物が完成すると検査をします。んで、OKがでて、晴れて使用できるのですけど、途中で建物を使う場合、建築上の手続きとして、仮使用許可が必要になります。

安全上、避難上、問題がないと承認されれば許可が降りるわけですが、まあ、まさか仮使用でオリンピックはないだろうけどね。(マジでしゃれにならんわ)

 

まあ、あれやこれや、詳細が分からない中で好き勝手なことダラダラ述べてみましたが、個人的にはですね、できないから止めるというネガティブ思考ではなくて、どうすればできるのかということを徹底的に検討するほうが、よほどリスクは少ないのではないかと思うわけです。

一見遠回りに見えても、今後の出戻りリスク思えば決して無駄ではないと思うのですがね。急がば回れです。(これも勝手な思考ですけど)。

ところで、この責任者って誰?下村さん?JSC(日本スポーツ振興センター)?

そこがはっきりしてないのも問題やねww

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