シチリアの「空き家」

 

今、我が国の住宅業界において最も深刻な問題と言えば、「空き家」だろう。

最近の不動産業界の活況は、都市部と地方の格差を増々大きくし、特に地方での空き家が急激に目立つようになった。

都市部へ人が流れるという、単なる経済的要因よりもむしろ、人口減少という社会構造の変化が、いわゆる「過疎」現象をアメーバのように増大させている。

 

この、「人口減少、都市部一極集中、農村部過疎化」という三拍子は、日本だけでなく、他の先進国でも同じようだ。

 

イタリア南端に位置するシチリア島。

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地中海に浮かぶその島は、美しい海と穏やかな気候、そして壮大な古代ギリシャ遺跡で、通年多くの観光客で賑わう。

一度は訪れてみたいと思いつつ、ワタクシ、まだ一度もお目にかかったことはございませぬ。

 

イタリアも、日本と同じく農村部の過疎化問題が年々深刻さを増している中、問題を解決しようと、シチリア州の二つの村は、空き家の売却を始めた。

売却価格1ユーロ。(本日、1ユーロ=約137円)

ペットボトル飲料と同じ値段で家が買える。

わざわざ、1ユーロとした意味はよくわからんですが、だったらタダでええんちゃうん?

という気もしますが、譲渡だと税金とか、いろいろややこしいんですかね?

あちらの不動産取引はようわからんですたい。

 

但し、条件付き。

「空き家」というだけあって、そう、あちこちが痛んでいる。それを修復することが条件。

劣化具合にもよると思うけれど、なんだかんだ、日本円で数百万程度は必要でしょうなぁ。修復を条件としているのが、何ともヨーロッパらしい。

現在、イギリス、アメリカ、ロシアの買手がどしどし押し寄せているとか。

詳細は、イタリア語だけなので、よくわからん。誰か和訳してクレロ。

 

美しい自然、穏やかな気候、そして食のイタリアというぐらいですから、食べ物がおいしい。

やっぱり、人間の本能なんですかね、食べ物のおいしい場所には、人が集まる。

食文化は大事にせんといかんな~と、つくづく思います。ハイ。

 

しかし、それでも自然と寄り添って生活するということは、自然の恩恵を受けると共に、脅威に晒されるということも忘れてはならない。

こんな美しい自然を持つシチリアも、活火山を抱えており、ほんの数日前、そう、御嶽山とほぼ時を同じくして噴火し、観光に訪れていた女の子が亡くなった。

我々は、この地球上に生きる限り、どんな場所に行こうとも、地球という自然と向き合わずして生きることはできない。

それ故に、自然の恩恵に感謝する心を忘れてはならないし、自然の力を見くびってもならない。

御嶽山、そしてシチリア火山噴火でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りします。

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