どーも、コンチワ。
ご無沙汰でございます。
しばし、雲隠れしていた間に、世間は随分色々なことがありました。
まあなんといっても、舛添さん事件は、ﾜﾀｸｼ、一都民として目を見張っておりました。
色々な意見はあるようですが、これ、知事一人の問題というより、たぶん叩けば埃がいっぱい出てくる政治という世界、いや政治家と称する人間が、もはや「まとも」な感覚を持ち合わせてはいない（逆にまともな感覚を持っているとあの世界では生き残れないのかもしれませんがね、終わってますわ。）ということ、見てて、そう思いましたね。
なんかもう、絶望的な。
これから参議院選挙ですけど、街頭演説も何もかも、何だか白々しく聞こえてしまうのは私だけではないはず。
気を取り直して。
近代建築の巨匠の一人に、ル・コルビュジェという人がいます。
日本にも唯一、上野にある国立西洋美術館が彼の設計によるもの。
コルビュジェはフランスの建築家ですが、それまでの西洋の石やレンガを積み上げて作る工法から脱し、いわゆる「近代建築５原則」なる工法を提唱し、それが今に通ずる。
ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面。（はい、建築学科の授業で習いましたね。）
要するに、壁を構造体から切り離し、柱と梁で建物を支える、これが基本。
そして、それまでの古代から続く小難しい建築様式や、装飾をそぎ落とし、Simple is best、徹底的に機能性を追求した。
日本においては戦後復興において、この近代的手法、無駄を省き単純明解、小難しい日本建築様式なんか知らなくても、ベルトコンベア式にドンドン作れてしまう建築構造体が主流となる。
今の日本の建築が、風情も文化も情緒も、そんなもののかけらも感じさせない画一的な風景を作り上げたのは、このコルビュジェと彼の追従者たちだとする人もいる。
確かに、そうかもしれない。
ﾜﾀｸｼ、一応建築を生業として生きておりますが、日本建築を語れと言われても、お恥ずかしながら、語れません。
今、日本全国に一級建築士は約36万人、二級建築士は約75万人、木造建築士は約1万7千人おります。その中で、一体何人の建築士が日本建築を語れるのかというと、、なんとも微妙。（木造建築士あたりは語れるかもね）
これは、建築に限った話でもなく、例えば、ファッションデザイナーと呼ばれる人たちに、和装を語れと言って何人の人が日本の伝統的衣装というものを語れるか、ということと同じじゃないかと。
つまり、特殊な技能や様式を知らずとも、人々の生命を守り、日常生活を支えることができる機能的な近代建築が一般化し、様式やしつらえといった類のものは、「特別な存在」になっていった。
先般、何気に目に入った日経ビジネスの記事に、個人的に急所を突かれた。
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ここで、隈さん曰く（あ、隈さんって、あの隈研吾さんね）、マンション文化が日本人のセンスを破壊したと。
かつてマンションを作ってたﾜﾀｸｼ、いきなり後頭部をぶん殴られたような気がしました。ﾊｲ。
でも言ってることは、ﾜﾀｸｼがかつてマンション作りながら抱いていた思いと通じるものがある。
本当の意味での豊かな空間、住まいの「質」みたいなものを求めようとすると、それじゃ採算合わんって蹴られるわけ。まあ、わかるけどさ。
今だから言いますけど、彼らの頭ん中は、1㎡いくらっていう￥マークの付いた数字しか浮かんでないのかって、そんな悶々とした時もあったわけなのｻ。（今は昔）
果たして、本当に近代建築は日本の伝統建築を破壊したのか、そして近代建築に代表されるマンション文化が日本人のセンスを破壊したのか。
個人的には結果論だと思う。
人というものは、比較する対象があって、その良さを認識する。
近代建築が良いとか悪いとかではなく、そういう存在があって、日本の伝統建築の良さが、よりくっきりと鮮やかに浮かび上がるんじゃないかと。
もちろん、伝統芸能とか、そういったことに長けている人は、比較するまでもなく、無条件にその良さを肌で感じ取れると思いますが。
問題は、その良さを感じる日本人としてのセンスや教養というものを、現代人が失うことではないだろうか。
人の感性は、生まれ育った環境によって変わるということを考えると、住環境を生み出す我々には重大な責任がある。
伝統建築に限らず、長く慣れ親しんだ建築をいともたやすく、新築サイコー！、近代的な造りサイコー！って、とっとと壊す感覚も、なんつうか、教養を欠いていることの表れかもしれない。
原宿駅は、何とか検討の方向に行っているみたいで、ちょっと安心している今日この頃でｺﾞｻﾞｲﾏｽが、どうなるか・・・。
それにしても、JRのお役所的というか、感性のなさというか・・・😩
