台風一過。
静けさが戻ってきました。
子供のころ、台風一過を「台風一家(ファミリー)」と思っていた私はバカですか?
京都や滋賀のほうでは、死傷者が出たそうで、本当に自然の威力の恐ろしさを感じます。
突風が吹くたびに、うちのバルコニーの手すりがガタガタ揺れるのを眺めながら、吹っ飛ぶんじゃないかとヒヤヒヤしておりました。
つい、先日も埼玉の竜巻で建物が飛ばされたりしましたが、オズの魔法使いのようなことが本当に起こってしまうから、なんと言いますか、世の不思議というには無惨すぎる、せめて、ドロシーが飛ばされた家のように、ストンと着地してくれれば被害も少ないのにと、これまた妄想の世界に入っていく次第でゴザイマス。
思うに、私が子供のころは、竜巻だとか、ゲリラ豪雨だとか、あまり遭遇した記憶がない。
竜巻なんて、外国で起きるものだ、ぐらいに考えていたものだから、昨年の春先に筑波で起きた竜巻はマジ衝撃受けた。
竜巻で、住宅が宙に浮いた?!
んな、ばかな。ちょっと柱が持ち上がったくらいじゃないの?と思ったら、本当に基礎ごと地面から浮き上がって、反転して崩れた。
中にいた中学生は、ドロシーのようにHappy End・・・ではなく、亡くなった。
先日の埼玉での被害のように、木造の古い家だとやはりそうか、となるだろうが、筑波の例はそうではない。
阪神淡路大震災後、耐震強化の目的で、木造建築には金物の使用が義務づけられたのだが、筑波のほうはこれに適合するものだった。
では、何故?
原理は飛行機が浮くのと同じ。
飛行機は離陸する前、ものすごいスピードで助走する。
すると、羽の上面と下面で、非常に流れの早い気流が生じ、羽に対して垂直方向(上向き)の力が働く。
いわゆる揚力というものだが、この現象が住宅の小屋裏で起こったわけです。
ものすごスピードの風が小屋裏を吹き抜けたときに、屋根に揚力が働いた。各構造部材は金物で強固に固定しているから、基礎ごと、まさに根こそぎ、宙に浮いたということ。
まー、考えてみれば、飛行機のような重いものも宙に浮くわけですから、住宅が吹っ飛んでも不思議でないと言えばそうですが、そうはいっても、飛行機は飛んでもらわないと困るけど、住宅は飛んでもらっちゃー困る。
建物を軽くし、各構造部材を強固に固定することは、耐震にとっては有利。
しかしそれが、対「風」になると必ずしも正ではないのか?ということが、この竜巻の事故で露呈する。
自然は我々に多くの恵みを与えてくれる。
一方、一旦牙を剥いたときの恐ろしさは、この世のものとは思えない惨事を見せつける。
自然災害大国で暮らす我々だからこそ、その知恵と工夫が生まれるんだ、と思えば、天に感謝の心も忘れないのでしょうか。