どこの国でもいいから助けてくれ!

 

今この瞬間に。

世界のどこかで人が殺されている。

ここにいれば、実感もわかない。まるでテレビドラマの中の話のようにさえ聞こえる。

 

先月末からシリアの軍事介入が緊張を増す中、米国の動きが世界中から注目されていたものの、化学兵器を国際管理下に置くというロシアの提案に、シリアは合意した。

もちろん、これで一安というわけではない。

シリアが停戦を宣誓したわけでもないし、米国がいつでも攻撃できる体制を整えていることに変わりはない。

 

私は、国際社会のルールとか、小難しいことは一切わからない。なので、無知な人間の戯言といわれても仕方がないが、先月末からのシリアを巡る論点が、どうも解せなかった。

 

なぜ、化学兵器を使ったか否かがそれほどまでに重要なのか?

そりゃ、国際ルールに違反しているからだ!とオバマさんは拳をあげて言うだろう。

 

化学兵器を使わなかったらいいのか?

国家を統治する人間が、己の考えと違うからという理由だけで、自国民を虐殺していることは、化学兵器の使用云々とどれほどの違いがあるというのか。

証拠があるだのないだの言っている間にも、罪のない国民が殺されているかもしれないというのに。

 

実際に現地に足を踏み入れているわけではないので、見聞きする情報がどこまで真実か保証できるものではない。

が、シリア人を妻に持つ記者のこの記事は、かなり事実に近いと推測する。

それは、まさに、シリアで生活する庶民の声から発せられたものだと受け止められる。

 

「どこの国でもいいから助けてくれ!」

 

おそらく、これがシリア国民の本音だ。

3年近くもの間、独裁体制存続のために、自国民に銃口を向け続けている政府の暴虐を、とにかく誰でもいいから止めてくれ、国際ルールがどうのこうの、そんなのはどうでもいい、明日殺されるかも知れない私たちにそんなことは関係ない、とにかく助けてくれ!

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今、目の前にある危機を救うために、社員証を携帯していないから、動けませんというおバカなサラリーマンがいるだろうか?(中にはいるかもしれんが。。)

 

今回の化学兵器が使用される以前に、既に10万人が死んでいる。大半は一般市民だ。

もちろん、軍事介入を実行すれば、政権側も反体制側も、そして一般市民もまた、必ず死者が出る。

国際社会が、一国に介入するのは容易ではないことは、無知な私でもちょっとはわかる。

けど、まず、助けるべく人を助けることが、国際社会の役目ではないのだろうか。

 

その大役に、スウェーデンが立ち上がった。

単なる滞在許可だけでなく、申請すれば永住権も得られる。そして、違法滞在者にも医療や教育の権利を認めている。

600万人以上にもなる全難民を受け入れると、住宅問題だけでなく、国家財政が圧迫され、破綻の危機にさらされるの自明のこと。

すでに、スウェーデン国内では、移民に対する反対世論も大きくなりつつあり、地元住民との衝突も起きている。

スウェーデン政府は潔い決断を下したと思う。が、彼らは、まず何をすべきなのか、心得ていたようだ。

国際社会は、この勇気を讃え、大いにバックアップしていくべきではないか。

 

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