鳴り止まぬタイルの音・・今日もどこかで。

 

軒並み、新築マンション価格が上昇傾向にある。

年初来の思惑が、ジワリと実体に現れてきているようだ。

増税前の単純な値上がりに終わらなければいいんですがねぇ・・。

これは新築だけに限らず、中古マンション市場にも同じ波が見える。

不動産価格上昇を見込んで売り控えているのか、やや供給不足。

 

ちょうど、ミニバブルが起きる少し手前、2,000~2003年頃のマンションが、そろそろ大規模修繕の時期に近づいてきているのだが、この10数年頃の建物を見ると、室内も建物外部も質の違いがはっきりと現れる。

きちんと手入れをしていたかどうかが、10年程度の年月で、その差が明確となる。

 

ただ、ここに来て、単純に「手入れ」だけでは片付けられない問題が頻発している。

タイルの剥離。

以前にも、ちょっと書きました。最近こういうの多いわ・・・

「外壁タイル張りの建物はちゃんと選ばないととんだババをひきますよ、という話」

 

タイルは、経年劣化によって「自然と」剥離する、なんてことはまずない。

というか剥離なんかしちゃ、ならんわけだ。

それこそ、落下でもしたら、大変な事故になりかねない。

(事実、タイルの落下事故で、通行人が死亡するケースも起きているのだ)

 

当然、施工当時の不備が疑われる。

が、これを証明するのもまた、難しい。

原因はいろんなケースが考えられるからだ。

 

一見して、あ、コレじゃ落ちるわ、っていう場合もある。

例えば伸縮目地を忘れているとか、貼付けモルタルが異様に薄いとか。

伸縮目地というのは、コンクリートが乾燥収縮する際に、表面のタイルがちゃんとその動きに追随できるよう、数メートルおきに表面にスリットをとって、弾力性のあるコーキング材等で太めに入れる目地にこと。

これがないと、建物が出来上がってから、コンクリートがジワジワと乾燥収縮していくにつれて、表面のタイルが引っ張られてしまうわけだ。

あ、ちなみに、コンクリートは固まっているように見えても、できたばっかしは、多くの水分を含んでいるんですよ。

んで、数年かけてジワジワと完全に乾燥していくんですな。そのときに若干縮むということ。

貼付けモルタルは、通常3~5㎜程度の厚みが必要なんだけど、剥がれたタイルの断面見ると、異様に薄い場合もある。

 

まー、こういう明らかに施工不良と断定できる場合はいいんですが、それでも一般の管理組合さんが、すぐに判断することもなかなか難しかったりするわけで。

そんな管理組合さんを相手どって、経年劣化です、とか地震の影響で、とか調べもしないで曖昧な受け応えをする施工会社とか、管理会社とか、マジ腹立ちますわ。

と、スミマセン、ちょっと愚痴ってしまいました・・

 

んが、こういう剥離問題は、湿式工法といって、貼付けモルタル等を使ってタイルを貼る場合に起こることが多い。というか、ほとんどそれ。

と思ったが、この事故、乾式工法(躯体に埋込アンカー等を取り付けて、金物固定する方法)でも剥落したんだよね。

一時期、騒がれてたな、そーいや。

「グランシップ」。そう、設計は、磯崎さん。

2

剥落したスレート:静岡県
剥落したスレート:静岡県

でも、驚いた、設計者や施工者に瑕疵を追求せず、県が補修&剥落防止工事を実施するそうな。

8億かー。

でも、それ税金だよね。間違いなく。

公共施設とはいえ、なんか、複雑な気持ちになるのは、私だけでしょうか??

 

Please follow and like us: