崩壊相次ぐわけはーインド集合住宅崩壊ー

 

最近、こういうの多いな。

報道されていなかっただけで、頻繁に起きてたのかもしれないが。

バングラディシュ、カンボジアについで、インドでも集合住宅が崩壊。

http://p.tl/jI1p

詳細は分かっていないが、死者が出たことは事実のようだ。

哀悼の意を表します。

 

原因は定かではないが、モンスーンの後に起こったということだから、雨で地盤が緩んだのか?

杭が支持地盤に打たれていなければ、考えられる現象だ。

んで、バングラディシュと同様、鉄筋の入ってないコンクリートだと、豆腐が潰れるように崩れる。

コンクリートなんてね、固くてどっしりしてて、見るからに丈夫そうに見えるけど、ただのセメントの塊ですから。

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諸外国で頻繁に起こるこういった事故をみていると、建造物に関する知識が著しく不足しているように感じる。

確かに、スーパーレベルの日本の建築技術からみれば、比べ物にならないかもしれない。

 

が、そうじゃない。

地震大国の日本だからスーパーレベルは当たり前であって、それを全世界も見習うべきだ、なんて野暮なことを言いたいのではない。

強度が云々・・は後でいい。その前に、建造物が安全に建つための基本というか基礎知識みたいなものが、欠如しているんじゃないかということが危惧される。

もちろん、インドにも近代的な高層建築がボコボコ建っているわけで、大規模建築よりもむしろ、中低層の小規模建築の担い手のほうが、そういった認識に欠ける傾向がある。

(これは日本であっても同じだが)

 

先日、中古マンション調査のご依頼者から面白いお話をお聞きした。

彼は1年間フランスにいらしたそうだが、そこで目にした驚くべき光景。

リニューアルされた建物の内部には、切断された梁がむき出し、その断面には切断された鉄筋が顔を出していたらしい。

堂々と曝け出しているのだから、何か誤って切ってしまったということではなく、リニューアルの際に「邪魔」だったから切ったという形跡がアリアリ。

彼曰く、「建築に詳しくない私でも、流石にビックリしましたよ。ま、でもあっちは全く地震がないんでね、杭なんて打たないし。崩れずに建っているからそれでいい、って感じ」

 

耐震という考えはない、ということは何となく分かっていたものの、お国が違えばこうも違うものか、と改めて驚いた。

 

文字通り、大地に根付く建築物は、その場所ごとの風土、気候、自然条件と切り離して考えることはできない。

最悪条件が見事に揃う日本の知恵が、世界で活かされないものか、と思う次第である。

 

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