終の棲家を求めて三千里。

 

 

海外で年金生活。

ふは~

年金のあてのない私らには、夢のような話になるやもしれん。

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最近の海外〇〇ブーム以前からこうした動きはあったけれど、最近はその形態も少し変わりつつあるようだ。

完全に永住してしまう、というよりも、日本に拠点を持ちつつ、夏や冬の間だけ海外のセカンドハウスで過ごすショートステイ型が増えているらしい。

 

これは、もはや東南アジア圏での生活コストに割安感がなくなってきているのも一因だろう。

従来から、タイやマレーシアは移住先の定番であったが、バンコクやクアラルンプールの大都市では、下手すると日本で生活するよりコストがかかってしまうこともある。

外国人用のコンドミニアムは日本と変わらない家賃(面積は広いので、単価で見ると安い。ほとんど100㎡超!掃除が大変だわ)、で日本料理店や、日本の食材は日本より高い。

そう、「老後は海外で」を象徴した「安い生活コストで優雅な生活」は今は昔、富裕層向けのスタイルに変わりつつある。

 

さて、リタイアした人たちが老後の人生の中で直面するのは、介護の必要性と終の棲家。

リタイア直後はまだ元気でも、10年、20年すると次第に介護が必要になってくる。

 

周知の通り、日本の社会保障費は今にも破裂しそうなほどに膨らんだ風船のごとき。

加えて、特別擁護老人ホームなどの介護施設は人手不足、そして施設入居を希望する待機児童ならぬ待機高齢者は全国で40万人を超える。

 

日本での介護サービスがほぼ限界状態に陥っている状況から、海外でサービス展開を始める企業も出始めた。

しかし、海外では介護保険も適用にならないし、そもそも家族が反対するケースがほとんどだ。

海外の地を終の棲家とすることを決意した日本離脱組か、家族が転々バラバラになって介護者がいない人に限られる。

海外での施設運営には、高い壁があるのも事実だ。

 

フィリピンは、海外への出稼ぎ国家として有名だ。

フィリピンの海外での収入はGDP比こそ10%程度だが、収入総額は214億ドルと、世界トップレベル。

介護士として出稼ぎにでるフィリピン人も少なくないが、近年欧米では外国人介護士の受け入れを制限し始め、フィリピン国内には介護士が溢れているのも現状だ。

日本では2006年にEPA(経済連携協定)締結後、介護士を受け入れ始めたが、継続滞在のためには、資格試験に合格することなどを条件として課している。

 

移民を嫌う排他的国家日本が、海外の若い労働力を活用することを躊躇し、このまま少子高齢化の一途を辿るならば、今後の医療や介護に自分の老後を託すことは難しいだろう。

将来自分の身を託す場を求めて、海を渡る選択を迫られることも、現実としてあるのかもしれない。

 

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