朝青龍の故郷。
日本人がモンゴルと聞いてまず思い浮かぶのが、これ。
事実、彼の功績が、モンゴルを世に知らしめたといっても過言ではないだろう。
建国以来、モンゴルは社会主義国として、政治的にも経済的にも旧ソ連の影響を大きく受けてきた。
が、1980年代後半、ソ連の崩壊とともに、経済支援が絶たれ、さらに東欧からの輸入も途絶えた。
物資の不足、企業倒産、社会保障制度も断ち切られ、国は困窮を極める。
その後、中国や韓国から少しづつ物資が流れ始め、また、ここに日本も多大な支援をしてきた。
今、民主国家として歩み始めたモンゴルは、日本に対して友好的感情を抱く国民であると言われているが、過去、満州国として大陸制覇を目論んでいた日本と、度重なる戦闘を繰り広げてきたことも忘れてはならない。
モンゴル民族を最も特徴づけるものといえば、遊牧。
馬や羊を飼い、それらの育成の為に、季節ごとに移り住む。
自然の中で飼育された家畜の毛は美しい。
その美しい毛で、世界的に有名なカシミア製品が生産される。
そして、遊牧生活を続ける彼らの住まいは「ゲル」。
いわゆるテントだ。
といっても、日本人がレジャーで行うようなキャンプとはわけが違う。
立派な「家」だ。
家具が配置され、テレビまである。
ない物と言えば、トイレとシャワーと電話くらいだろうか。
電気は発電機で賄える。
無線でインターネットも利用できる。
が、給排水設備はポータブルというわけにはいかないようだ。
暖はストーブでとる。
で、これが今、国家的な大問題となっている。
モンゴルは北国。
寒い。半端なく寒い。
真冬はー30℃ぐらいになるらしい。
未だ体感したことがないが。
で、石炭をボンボン燃やしてストーブを炊く。
まー普通に考えて、寒いわな。テントですから。
その排気ガスが大気中に立ちこめて大気汚染を招いている。
そこで、国としてもゲル居住者をマンションに住まわせようと、
首都ウランバートルに、ボコボコマンション建設が計画されている。
深夜、ウランバートル空港に降り立ち、
建物の外に出た瞬間、鼻をかすめたのは、石炭を燃やす排ガスの臭いだった。
それでも、真冬と比べて随分暖かくなってきた今の時期は、昼間の空も綺麗な青空が広がる。(石炭ストーブを一日中炊いている真冬は、空が排ガスで曇るらしい)
高層建築、車の渋滞、ウランバートル中心部は、近代的な都市の姿を呈する。
が、どことなくその雰囲気は社会主義国家であったことを思わせる。
何だろう・・・
広告、看板の少なさか
青白い蛍光灯の明かりか
何もない更地に、突如ビルが生えてきたかのように、
外構は何もない。
歩道も所々陥没している。
やっと街ができ始めた、そんな印象だ