年に数度、一体今日が何日の何曜日なのか分からなくなることがあるのですけど、まさに、先週末から今週にかけては、それ。
えっと、今日はどこに行くんだっけ?
もう少しでヒューズが飛ぶ寸前でした。フー。
さて、建築と不動産業界が、ワサワサ慌ただしい様相を呈する中で、近年、コト目につくのがクレーマーと呼ばれる類。これは、建築&不動産業界に限らず、どこにでも出没するわけですが、やっぱり、その増加は、近年の情報過多が一番の要因と言えるでしょうな。
誤解を恐れずに言うと、クレーマーは必ずしも社会悪と言うわけではない。
あ、クレーマーという言い方は少し語弊がありますな。
そう、正しいか正しくないかは別として、ハッキリ意見を言うということは、いかなる業界においても、売り手買い手、お互いが対等の立場にあるという意味では、全くもって公平な取引だ。
しかし、この公平バランスは、往々にして崩れるわけでして、「お客様は神様です」となれば買主側に、「いやなら買うな」になれば売主側に、力の配分が傾く。
不動産業界でいえば、後者が圧倒的に多い。
今までは、そういうものなのか、となんかモヤモヤする気持ちを抱えつつ、それでやり過ごせたわけだ。
しかし、今は違う。
購入者は、ハッキリ意見を主張するようになった。
まあね、中にはね、ホントに無茶苦茶なこと言う人もいますよ。虫眼鏡で見ないと見えないような傷を見つけて、欠陥住宅だ!と騒ぐ人とかね。もうこれは、顧客以前の問題で、一般社会人としての常識を問われるレベル。
が、だいたいは、売主側の横柄な態度が、コトの発端となってややこしくなるケースがほとんどでしょうかね。
彼らからしてみれば、無茶苦茶なこという人も、正当に意見を投げかけてくる人も、一緒くたに「クレーマー」となる。
先日ご一緒したご依頼者も、ご契約時から既に1年近く、売主側とゴタゴタが続いていて、お会いした時はすっかり憔悴しきっていた。本来は、初めて自分たちの新居に出会えるHappyな日のはずなのに、笑顔一つこぼれない。
販売広告時の誤表示について、売主側に説明を求めるご依頼者に対して、売主の対応が後ろ手に回ってしまったことがコトの発端のようでしたけれど、何と言うか、双方のやりとりをお聞きしていると、売主側の誠意のなさを感じずにはいられない。
まあね、大手さんにしてみれば、何万って顧客を抱えてて、彼らの意見をイチイチマトモに聞いていたら、ラチあかんわ、ってことでしょうけど、それってどうなのかねぇ。
そもそも、説明する人間がプロではないってこともあって、それじゃ、マトモな説明できんわな、と思うことも少なからず。以前、ワタクシ、自分の素性を隠して彼らと話をしたことありますけど、まあ、全くの素人でギョっとした。
建築と不動産のプロよりも、どんなクレーマーにも絶えられる精神の強い人間が必要ってことでしょうか??? まあ、ある意味正しいけど。
インターネットの普及で、一般人でもある程度の知識を得られるようになった昨今、まあコレぐらいは大したことないサ、いやなら買うな、的な今までの業界常識は確実に崩れつつある。
ただし、一つ加えると、これは何も売主側だけの話ではなくて、購入者側にも言える話。金を出す方が偉いんだ、という考えが、ホントのクレーマーに仕立てていくわけだ。
取引とは、お互い対等の立場である。
奢れるもの久しからず。
コレ、いつの世も、万事共通の教訓ナリ。 by 琵琶法師