これだけスマホが普及してきたといっても、やはり、まだまだガラケーの人気は根強く、集荷台数はスマホを上回る。
まあ、スマホの使用料が高いってのもあるでしょうし、ネット使用ならスマホよりタブレットが便利ということで、電話ならガラケーで充分、というのも頷ける。
日本の携帯市場がガラパゴスと言われるように、国内需要においてのみ、その技術や機能の進歩を見せ、他国企業の参入を一切許さない汎用性の悪さが指摘されつつも、新機種への順応能力に乏しい中高年レベルには、やっぱ使いやすいわ、ということで、相変わらずカシャ、パタン、と折り畳む音が電車の吊り革の隣で聞こえたりするわけでして。
しかし、長い目で見れば、こうした市場のガラパゴスというのは、将来行き詰まりを見せるのは疑いのないこと、誰しも理屈では分かっている。
近年、海外に活路を求めて、大手ゼネコンの海外進出が増えてきた。
いや、すばらしい。ウン、素直にうれしいですねぇ。
その中でも、ドバイのメトロプロジェクトと、アルジェリア東西高速鉄道は、超巨大案件として注目されていた。
しかし、これらの事業が大損失に陥り、ゼネコン側にとってかなりの痛手になっているらしい。
ドバイは、発注者ドバイ道路交通局側との追加工事費用負担の交渉が難航し、結局原価が3倍にも膨らみ、多額の赤字事業となった。
アリジェリアにおいては、工事の遅延を理由に、アルジェリア政府側の未払いが続いていると言う。
仕舞いに契約解除まで示唆され、日本側JVはついに、国際仲裁機関に仲裁を申し立てた。工事の遅延は、想定外の環境に加え、アルジェリア側からの追加工事なども大きく影響したと見られている。
これら巨大案件の損失を受け、リスクが高すぎると判断した大手ゼネコンは、次第に海外事業の割合を減らし始め、今では総事業費の1割にも満たなくなった。
請負とはよく言ったものだ、とかつて現場監督さんがポツリと言った。
建設業は基本、請け負い(うけおい)業。
が、「請け負け(うけまけ)」なんだと。
一旦仕事を請けると、その金額で完成を約束しなければならない。
もちろん、仕事の内容は、設計図書できっちり決める。設計図書にないものは、当然追加となる。
が、大概もめる原因はこの追加だ。
土木の世界はよくわからないが、建築の世界では、設計図書といってもそこまで詳細に決めていないことの方が大半だから。
請負契約というコントラクトそのものの認識の違いもあるやもしれん。
もしかするとね。
文化や生活習慣が違う、ということは、モノの考え方が違うということですよ。
つまり、モノの価値観が違う。
お金持ってるよりも牛持ってる方がエライ、って地域だってあるわけですから、まあ、日本の常識なんて通じない、って思ったほうがいいのかもね。
ただ、何が悲しいかって、こうした現実に直面して、日本の建設業が国内に閉じこもってしまうことだ。
ガラケーではないけれど、狭い市場で、免震だの超高層だの、技術を競うよりも、失敗を教訓に変えて外に向かって頑張ってほしいなぁ、と思うのです。
辛口かもしれませんがね、国内でどんなにスゴい技術を開発しようとも、それが必ずしも世界に必要とされるものではない。
どんな場面でも、順応性よく応用の効く企業が、最も必要とされるのでしょうな。
その前に、ゼネコンの古い体質改善が先かな。