明けて早、10日が過ぎてしまいました。
それでもやっぱり、年が明けるというのは、気持ちがこう、一新して気持ちの良いものですな。
んで、まあ年初めですから、ちょっと真面目なお話。あ、いつも真面目です。
ご存知の通り、建築というものが出来上がるまでには、まあとにかくアレコレ厳しい規制があるわけです。それもこれも、詰まるところ人命の安全を目的なわけさ。
で、今日は火災やガス漏れなどを知らせる警報機(報知機)について、イロイロ思うところを吐き出してみたいと思います。
先日、新宿歌舞伎町のホテルで火災がありましたね。詳しいことはわかりませんが、爺ちゃん婆ちゃん一家で経営するコジンマリしたところだったようで、きっと昭和の古き良き?時代を終えて、かろうじて今も残っている、といった風の、寂れた、よく言えばレトロな出で立ち。
火事が起きたら、火災報知器が鳴ります。
煙を感知して鳴るものと、熱を感知して鳴るものとがあります。
Wikiからお借りしました。住宅用はこんなやつ。
ですが、今の所、不特定多数の人が利用する建築物に設置する火災報知機は、「音」で知らせるものだけなんです。
光で知らせるものも少しありますが、住宅用のほんの限られたものだけ。
ワタクシ、約2年前になりますが、とあるシンクタンクのご依頼で、とある実験をしました。
耳の聞こえない方を対象に、光式の火災報知機の実用化へ向けた実験なんですけど、音だけの場合、光と音を併用した場合、光だけの場合など、試験用の警報機を使って、いろいろなパターンで被験者の行動を観察するというもの。
ワタクシ、恥ずかしながら、この時初めて知ったんですけど、耳が聞こえないと言っても、かすかに聞こえる人もいれば、全く聞こえない人や、いろいろなんですね。
んでもって、実験の結果は、もちろん、音だけの警報機だと、ほとんどの方が無反応なんですわ。
我々には、耳にキンキンするくらい警報音聞こえるんですけど、彼らは何知らぬ顔なんです。
いや、ほんと、改めて障害という壁を思い知らされました。
多くの人がいる場所ならまだしも、例えば、彼らがトイレの中にいたり、読書にふけっていたり、はたまたスマホに夢中になっていたりしたら、全く火災に気づかない、なんてことだってありうるわけですよ。
実に恐ろしい。
バリアフリーなんていうけど、我々の周囲には、まだまだバリアだらけじゃないか、と実感した次第でゴザイマス。
しかし、この光式警報機、いつ実用化されるンかしら??
さて、続いてガス漏れ警報機。
天井についているのはこんなやつ。
最近は、マイコンメーター(地震の揺れを感知したら、自動的にガスが止まるもの)や、ガスコンロそのものにガス漏れ安全装置が付いていて自動でOFFになるものが普及しているので、ガス漏れ警報機の設置自体、必要性がなくなっていることもあるのですが、一酸化炭素(CO)も同時に検知する機器もあるので、あながち無用の長物というわけでもないんですぞ。
しかし、だ。問題はそこではない。
このガス漏れ警報機、様々な種類があるんですけど、そのほとんどが、有効使用期限が5年ってされてるんですわ。
5年たったら機能しないわけじゃないようなんですが、それでも、誤作動したり感知機能が鈍くなったりして(←こりゃまずいよな)、あまりよろしくないらしい。
でもよ、5年なんて、普通に生活してたらすぐだし、そもそも忘れちまうよ。そうでなくても、引っ越したりしたら、もう、わかんないし。
一応ね、機器に有効期限の日付が入ってる。(中には設置業者が、記入し忘れてるのもあるけどね)
それにしても5年で機能が低下するって、今の時代、性能悪すぎ!
今でこそ、携帯は数年で買い替える人も多いけど(まあ、壊れるというより契約が切れるからだろうけど)、何を隠そう、ワタクシ、昔10年近く同じ携帯使ってたこともあったぞ。(笑わんでくれ)
こんなん、言っちゃー何だが、センサーの性能を上げればいいんじゃないの?
んで、期限が切れる頃に、何かが点滅するとか、音が鳴るとか、知らせてくれる機能が欲しいよな。
それで、交換しないのは、所有者の責任なわけで。
まあね、5年ごとに新しい機器に交換すりゃ、メーカーさんは安泰かもしれんがな。セコッ。
企業生命を維持したいなら、なんかもっと「こりゃすごい!」ってものを開発するとかに、アタマ使うことできひんのかな~、と、嫌味たっぷりに言わせてもろた。
まあ、新年早々、嫌味婆さん呼ばわりされるのもなんなんで、このへんにしときます。
それでは、今年もどうぞよろしくお願いいたします~。