暑う御座います。
皆様お変わりありませぬか。
先日、7月31日は数年に一度のブルームーンが見られるってことで、自宅ベランダから、煌々と輝く月を愛でておりましたが・・・
ちっとも青くないぞ!
で、調べたら、ブルームーンって実際に青い月が見られるってことではなかったようです(恥)
ひと月に2度現れる満月のことらしく、英語で「珍しい」という意味の慣用句「once in a blue moon」
が名前の由来だとか。
ナンダ・・・。
さて、先般発令されました、新国立競技場の白紙撤回ですけど、局長の更迭だとか責任云々の後ろ向きの話は、まあ後でじっくりやってくれればいいから、方向性としてどっちにいくんじゃ?と、半ばヒヤヒヤしながら見ております。
ザハさんも、えらく動転しているのか、落胆しているのか、憤慨しているのかわかりませんが、コストアップはデザインのせいじゃないって主張しながらも、コスト削減案を提示して、引き続きデザイン監修の座に座り居座りたい気持ち満々のようであります。
JSCとザハさんとのやりとりを妄想してみる。(あくまで、フィクションですからね)
JSC「ザハさん、予算オーバーで国から却下されました。今までの計画は白紙撤回になりましたので、デザイン監修契約も白紙撤回ということで。」
ザハ「なんですって!」
JSC「あなたのデザインだと、どうしてもお金かかっちゃうんで、設計見直しということになりました」
ザハ「でも選んだのは、あなたたちでしょ。それに、お金がかかるのは、デザインのせいじゃないわ!ゼネコンの選定が悪いんじゃないの」
JSC「いや、ですが・・・首相が撤回を発令しましたので、もう無理です・・残念ですが」
ザハ「キーッ!!!」
実際、こんなやりとりがされたかどうかは分かりませんが、まあ少なくともこれに近いものがあったんじゃないかと妄想しています。
建築家という創造活動家たるもの、この案はダメだわって却下されちゃ、プライドが許さん。
(まして、生ガキとまでいわれちゃあね・・・)
確かに、プライドは大事だと思うし、皆少なからず、このプライドを持って仕事してると思うんだ。
けどね、もう一つ、プライドだけでは創造はできない。
よく「手塩をかける」っていうけど、それに近い感情があると思うんよ。
昔、デベに勤務してた時分、社内の幹部だれもが失敗すると分かってて責任者になるのを避けていた、あるプロジェクトがありましてね。
プロジェクトリーダーは不在、けど、現場は進む。
で、なぜか基本設計を少し手伝っていただけのペーペー平社員のワタクシに、その責任がドンときた。
何でやねん??この会社マジ腐ってるわ!!って思いつつ、やりましたよ。
えー、案の定、うまく進みませんから、お前はクビだ!とか怒鳴られ罵られ、おー、上等じゃ、辞めてやるわって腹の底で思いながら、完成まで見続けました。
まあ、お世辞にもうまくできたとも言えなかったけど、でもね、なんというか、こう、手塩にかけた愛着っていうんでしょうか。
出来の悪い息子でも、やっぱかわいいもんなんですよ。
スケールも予算も、もちろん比較にはなりませんけど、たぶん、ザハさんにも、こんな思いがあるんじゃないかと。
単なるプライドだけじゃ、やってられませんから。
こんだけスケールでかいプロジェクトだと、いろんなバックグラウンドありますから、どういう形が望ましいのか易々と申し上げられませんけど、施主主体の有識者会議じゃ、そりゃ、ドンドン膨らむって。
家で例えればね、大きなリビング欲しいわ~、キッチンはフル装備にしてね、オレ専用の書斎も作ってよ、最新式のセキリティ入れなきゃな、あ、地震対策に免震考えないと・・。そう、夢はドンドン膨らむのです。
それでも、予算あってのことですから、どれを優先するか、代替案はないかって、建築士や施工者とやりとりしながら作るでしょ、家って。
それと同じ。
いろんなスタジアムと比較しても、延べ床ベースで2~3倍近い規模、新国立って。
先般のロンドンの約3倍、シドニーの3.5倍、ハチの巣だか雀の巣だか、あの北京よりも2割ほど大きい。
どんだけデカいもんつくるんじゃ。
8万人収容っていうことだけでなくて、諸々の付帯設備を全て屋内にしてるところが、延べ床を増大させている原因らしい。
やりたいことてんこもり、で、あれだけの巨大な物体、まあ無理もないかなって思うわ。
中でどういう議論がされてたか知りませんけど、あれやりたい、これたりたいの言いたい放題の有識者会議で、現実的な意見をビシッって言える技術屋さんが、なぜいなかったのか不思議です。いたのかもしれないけど言えなかった?
さもありなん。
この国、建築業に対する職能評価低いからね~
ザハ「えー、よーく分かりましたわ」