医療業界に巣食う病巣

 

自身の欠点か職業病か分かりませんが、つい、疑ってしまう悪いクセがあって、そのくせ、いともたやすく騙されてしまう自分の性格に、ホトホト嫌気をさしてしまうこと少なからず。

 

でもこの疑いは、それほど思い過ごしでもないのではないかと、このところ感じている。

もちろん、全てがそうだというわけでは決してない。まあ、建築業界においても然り、どこの業界でも一部腐った膿みのような部分を持ち合わせているのは、どこの世界も同じなのかもしれないけれど。

だからとて、許されるものではない。それが高度な専門分野であればあるほど、一般人には入り込む余地もなく、それをよいことに偽善者を装って欺く行為は、脳みその足りないオレオレ詐欺と同じレベルの詐欺行為だ。

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医療業界というのは、まさしくベールにつつまれた世界。

建築の専門技術とは比べものにならないくらいの超専門技術分野といっても過言でない。

でも、私は常々、疑問を感じていた。

今まで体験した事例を並べあげれば、単なる愚痴になってしまうので止めておくが、同じ技術者として、いや、同じ技術者だからこそ、彼らの倫理観を疑ってしまうことがしばしばある。

繰り返すが、決して全てがそうだというわけではない。中には高い志をもって、医療に携わる人も、もちろんいる。

 

ただ、今回の事件を見ていると、どうも、医療業界の傲慢・怠慢・腐敗が病巣のようにはびこっているのではないかと、そして、どこかそれが暗黙の了解になってしまっているんじゃないか、と思わざるを得ない。

この事件は製薬会社の摘発であるが、関係する技術者らが、医師としての倫理観を持っていれば、そんなことは断じて起きない。

 

専門家が発する言葉というのは、一般人にとって絶対的である。

それだけ重みを持ったものであるということを、一体何人の専門家が理解しているのだろう。

我々一般人は、絶対的信頼を医師に寄せる。

専門家は、自らの裁量の中で、人を自由に操ることができてしまう。

一歩間違えれば、なんて恐ろしいことだ。

 

建築業界を激震させた姉歯事件から、かれこれ10年近くが経とうとしている。

事件後、法改正なども行われ、随分厳しい目が向けられるようになったけれど、それでも不祥事は絶えない。

あからさまな意図的偽造は少なくなったが、判断ミス、不注意、勘違い、コトの大小はあれど、それらに対する技術者としての責任というものが重くのしかかる。

自然災害による被害に対してでさえ、設計者の責任を問われることもあった。もちろん、建築確認を取っているので、違法建築などではない。それでも責任を問われるほど、建築界に向けられる目は厳しくなった。

厳しくなったけれど、不祥事は絶えない。そこには、人間の傲慢さと欲と弱さが絡み付く。

 

最先端医療って何ですか?

技術者の高い志と倫理観なくして、そんなものはガラクタでしかない。