世界へのアピールか自国の平穏か―犠牲の上に現るW杯スタジアム

 

えっと、ワタクシ、サッカーは全くもって分かりません。ルールも知らなければ、澤さんみたくプレーもしません。

ですが、ブラジルと言えば、コーヒー!・・・ではなくて、サッカー。

そう言うサッカーファンの方も多いことと思います。

全然関係ないけど、ちょっと昔、ラモスが経営(?)する青山のレストラン、ありゃおいしかったな。また行きたい。

 

さて、そんなブラジルですが、とうとうワールドカップの開催が来月と迫った。

建設中の事故や建設コストUPが、工事をとことん遅らせ、開催側にとってはヒヤヒヤものだったようですが。

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サンパウロの郊外に華々しくオープンした新スタジアムを尻目に、周辺にはテントの一帯。

徹夜組のサポーターではありませぬ。

そこに住めなくなった住人が、空き地にテントを張って生活しているのだ。

 

もともと、新スタジアムの建設とともに、周辺の地域整備を計画していたのが、とことん頓挫。

スタジアム建設と同時に、商業施設や病院、警察署や消防署などの公共施設も充実させ、地域全体の活性化を目指す・・・はずだったが、スタジアムに莫大な予算をつぎ込み、回らなくなったらしい。

 

それでも、スタジアムができ、新たに道路が敷かれると、不動産価格が急騰。住宅家賃も約2倍に跳ね上がる。

ワールドカップ開催や2年後のオリンピック開催という、世界的な華々しい舞台にスポットライトが当たる一方、住民の生活がそれに追随して充分に豊かになっているわけではない。家賃がいきなり2倍にもなれば、住む場所がなくなり野宿生活を強いられる。

「こっちはテント生活してるのに、公費でスタジアムなんか造って!!」

彼らの本音は、世界の舞台を誇らしく思う愛国心よりも、それらに向けられた不満に変わる。

 

世界的競技の開催地は、世界中からの注目を浴び、いい意味でも悪い意味でも一気にその認知度を高める。故に、国はここぞとばかり意気込んで全力投球するわけですけど、国の豊かさって、近代的な建物や充実したインフラ、経済(もちろんこれも大事ですけど)よりも、国民の心の豊かさではないかと。

つまり、毎日の生活に幸せを感じているかどうかじゃないですかね。

社会基盤が整備されて幸福を感じるというのもあると思いますけど、少なくともサンパウロの住民が幸福を感じているようには見えんな。

 

我が国でも新国立競技場の建設巡って叩かれてますけど、当事者らが沈黙かましてるのが、無性にハラ立つというか、気味悪いわ。

新国立競技場、予定では、7月に解体らしいですけど、基本設計固まらんのに壊すんかい?

わあー、やっぱり日本ってすごいのね!って世界に知らしめたいがために、無理してるようにしか見えない私は非国民だろか。