コーカサス3国、グルジア(ジョージア)、アルメニア、アゼルバイジャン。
共に旧ソビエト連邦の共和制国家、1991年のソ連崩壊とともに独立した、同じ歴史を持つ3国である。
あまり馴染みのない(ワタクシは全く知りませんでしたけれども)コーカサスの国々。
しかし、その歴史は非常に古く、紀元前よりアルバニア人による王国が誕生、近年の旧ソ連共和国の一部となるまでに、いくつもの変遷を繰り返してきた。
さて、先月に引き続き、最後のアゼルバイジャン。同系列のセミナーにイソイソと出かけて参りました。
似通った歴史を持つコーカサス3国ではありますが、その中でも最も勢いある国だという印象でありました。
グルジア、アルメニアが、キリスト教に由来する宗教であるのに対し、アゼルバイジャンはイスラム教。
カスピ海に眠る莫大な石油&ガス資源を持つ。
あー、オイルマネーの国なのね・・
単に基本データをサラリと眺めただけでは、そういう印象を持つのかもしれない。
しかし、独立してから二十数年、豊富な資源にあぐらをかいているだけで、ここまで国が成長できるものではない。
首都バクーは、中世ヨーロッパを思わせる古い街並みを残す一方、まるで宇宙かどこか、違う星の都市のような、新しい街が作られている。
そう、SF映画にでも出てくるような。
ほんの、二十数年前には社会主義国家の一部だったとは信じがたい光景が、現実として現れつつある不思議な街。
もちろん、オイルマネーがあったから、というのも嘘ではないだろう。
しかし国を成長させるものは、資源やマネーではなく、「人」であるということが、この国から発せられる無言のメッセージによって伝わる。
いつかは限界が訪れる石油エネルギー社会を見据え、どうすれば世界が持続できるのか、もしかすると一番本気で考えている国なのかもしれない。資源国であるが故に。
国が皆、同じ方向に向かって進むとき、その国は想像を絶するパワーを発揮する。
ふと、日本の敗戦後の高度成長が重なった。
ただただ国の復興を目指し、土方のおっちゃんも、寝癖頭のサラリーマンも、皆同じ方向に向かって走っていた。
それが、資源も何もない国の奇跡的な復興として、世界中から驚嘆の目が向けられた所以に違いない。今、我々はどこに向かっているのだろう。
北海道と同じ広さほどのアゼルバイジャン。
コンパクトな国土の中に、ギュッと詰まった情熱とエネルギー。
我々が忘れかけていた(というか既に失ってしまった)大切なモノを思い出させてくれる国、そんな思いを抱いた一日でゴザイマシタ。
大使館寄贈のワインもおいしゅうゴザイマシタ。ごちそうさまデス。
あれ?イスラムでもアルコールOKなのね…