技術進歩とは、なんとまあ人間の想像を見事に打ち破ってくれるのだろう。
近年、建築業界のみならず、あらゆる産業において活躍の場を見いだし始めた3Dプリンターサマサマですけど、ついに、オランダで実物の家の建築が始まったそうな。
もともと建築業界においては、模型制作の場で活躍していた。
こんなん普及したら、模型屋さん潰れてまうな~、腹くくって設備投資してプリンター模型作るしかないんか??と思ったわけですけれども、まあね、人間の手でチマチマ作るよりも遥かにはやいわな。
オランダ人建築家ハンス・フェルミューレン氏、彼も模型で活用していたものを、もっとデカいものできひんか?というのがきっかけでしたようで。
1ピースプリントするのに約4時間、何百ものピースを組み立てて作られる実物の家、完成予定は2017年(どのくらいの大きさかはわかりませんが)。
模型の場合、主に使用される材料は樹脂。プラスチックです。
んで、今回彼は樹脂だけでなくて木チップや金属、石なんかでも試してるとか。
ピースは、設計図通りにプリンターが作ってくれるわけだから、現場ではそれを組み立てるだけ。
PC(プレキャストコンクリート)の登場に続き、ついに全てコンピュター生産の時代になるのか?
今は超スロースピードだけれども、おそらく1年もしないうちに、家一戸分のピースなんぞ、あっと言う間にプリントできるようになるんだろうね。
現場職人さん、いらなくなっちゃうの?
確かにね、腕のない職人さんは淘汰されちゃうかもしれないけど、人間の培った勘ってもんは、コンピュータ以上の超人的な正確さだったりする。材料の特性を熟知し、経年伸縮の誤差を読んで僅かにずらして組み立てるなんて手法は、熟練の職人さんにはかなわない。
も一ついうなれば、模型にしても実物にしても、やっぱり人の手が作る温もりみたいなものは、プリンターには見いだせない。
建築を生き物のように感じるのは(え?感じない?そりゃダメだ)、まさしく人の手が作っているからに他ならない。
とか何とかいってても、時代が変われば変わったなりに適応していくのでしょうけれど。
その昔、CADがない時代は、設計図はぜ~んぶ手書きでした。今では想像もつきませんけど。
性能や強度など、諸々の規定が整って実用化されるには時間が掛かるのでしょけれど、ただ、彼も言っているように災害地などでの仮設建築には、プリントスピードがあがれば有効かもね。
石膏の粉末や、木チップ、可能になれば現地のがれき等が資材として利用できる日がくるかもしれない。
そう、技術の進歩は、それを必要とする場所に適応させることで、ものスゴイ威力を示す。
それが本来の技術進歩の姿ナリ。