「億ション解体」を聞いて、思ったことをダラダラと書いてみた

 

えっと、ご存知の方も多いと思いますけど、昨年末、三○地所が販売する「億ション」に欠陥が見つかったとかって、騒々しいニュースが流れてましたけど、結局、施工者(鹿島)負担で解体して建て直すことになったそうな。(鹿島だからできるのかもしれんがな)

 

私は、当初このニュースを聞いたとき、ふ~ん、鹿島でもやっちゃうのね。。。ぐらいしか思わなかった。

っていうか、「億ション」って死語じゃなかったんだー、ってビックリしたのはそっちのほうだ。未だに億ションって言葉がマスコミから流れることに驚いたワタクシであります。

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スリーブ(配管貫通穴)の入れ忘れって、ぶっちゃけ、珍しくもないわけで。えー。

もちろん、あっちゃいかんことですよ。かなり重大なミスです。

なんでこういうことが起きるのか、というと施工図チェックミスか、現場管理ミス。

そもそも施工図に描いてなけりゃ、職人さんやりませんから。あ、施工図というのは設計図と違って、現場で起こす図面のこと。

あと、現場管理ミスは、単純に現場監督さんが現場見てないってことです。

開け忘れたところ、いくつかコア抜き(後からコンクリートに穴を開けること)した箇所もあったらしいけど、このコア抜きってね、ダイアモンドカッターでコンクリートをぶち抜くわけですから、ものすごい特殊な音がするわけです。監督さんが現場出てりゃ、一発で何やってるか気づくはず。

 

今回は施工不備751箇所のうち、約200箇所のコア抜きをやっちゃったらしいけど、200箇所も穴開けるまで、監督さん達誰も気づかないなんてありえませんから。要するに、現場見てないってことです。

リテラシー低い職人さん達にとっては、忘れたら開ければいい、ぐらいにしか考えてなくて、コア抜きをNGだと思っていない。ま、だから監督さんがしっかり見なきゃならんのだが。

コンクリート内部には鉄筋が入っているわけですから、ダイアモンドカッターでぶち抜くと、鉄筋も一緒に切断してしまうわけ。

まあ、人間の体に例えるなら骨のようなものですから、構造体としたはズタズタにされてしまうわけです。

で、鉄筋を切断した構造体はもうダメか、というと、補強の方法はなくはない。けれど、本来の強度が回復するのかというと、全く同じかどうかは断定できない。そりゃそうだ。

 

で、今回は契約者からの要望で建て直しになったらしいけど、ココだけの話、コア抜きした建物でそのまま建ってるもの、いくつもあるよ。(暴)

まあね、諸外国で見かけるような、豆腐が潰れるように建物が崩れるってことはないでしょうけど。実際、姉歯さんマンションも、先の東日本大震災で崩れたって話は今のところ聞いてない。(もちろん、それまでに補強をしたというところもあるし)

 

今回のニュース聞いてて、何となく違和感感じたのは、マスコミの取り上げ方が、「億ション」、しかも売主、施工共に業界大手のコンビで起きた、ってことを大々的に取り上げ、何だか話題性を掻き立てていた節が否めない。

「億ション」じゃなかったらよかったのか?

大手じゃなかったら、許されたのか?

「億ション」に住む人も「万ション」に住む人も、命の尊さは同じだし、「億ション」も「万ション」も、建物として必要な基本性能は備えらていなければならない。(当たり前だ)

 

ネットの書き込みで露呈したってことが、余計に話題性を掻き立てたのかもしれないが、こりゃ、ちょっとお粗末すぎだわな。

企業姿勢が問われても仕方ない。しかも、図面の整合不足としか原因を説明していない態度には、ちょっと誠意が感じられんのです、ワタクシ。建て直しゃいいってもんでもないで。