一生知らずにいたかもしれない遠くて近い国

 

えっと、前回のグルジアに引き続き、同じコーカサス地域にあるアルメニア。

こちらは、グルジアよりももっと小さな内陸国。首都はエレバン。

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同じく旧ソ連に属していたが、1991年ソ連崩壊とともに独立。

えーえー、当然知りませんでした。自慢じゃないが・・

 

北をグルジア、西をトルコ、東をアゼルバイジャン、南にイラン、コーカサスの真ん中にポツンと位置する小さな国。

でも、国の歴史は凄く古く、紀元前にはアルメニア大国を築いていたそうな。

しかし、悲しいかな、ローマ帝国とペルシア帝国の狭間、緩衝地帯にあったアルメニアは周辺国からの侵攻によって翻弄され、国は荒廃していく。

そして、多くのアルメニア人が世界各地に離散、ディアスポラとなる。

現在アルメニアの人口は300万人程度だが、世界各地に離散して行ったディアスポラの子孫などを含めるると、倍以上にものぼると言われている。

 

さて、そんなアルメニア、内陸国であることを除くと、日本と実によく似ている。

まず、エネルギー資源がない。

エネルギー資源がないから、IT産業が盛ん。←意外と頭のいい国民なのかも?

ま、日本もそうですよね。資源がないから技術開発に力が入る。

 

そして、日本と同じくらい大地震に見舞われる地震大国。

恥ずかしながら、私は全く知りませんでしたけれども、1988年のアルメニアの大地震(M7級)で、まさに一つの村が一瞬にして消えた災害に、いち早く駆けつけた日本の救助隊が、がれきに埋もれた多くの被災者を救ったという事実が、今もアルメニア人の心に刻まれているという。

こんな大陸のど真ん中で、日本のように大地震が頻繁に起きている国があるなんて、ちょっと驚きでしたけれど、それでも建物は相変わらず石造りが多いのは、なして?

インフラや建設業に充分にお金を掛けられるほど、国が豊かでないのも一つの理由かもしれないが、それも全て翻弄させられてきた歴史にある。

 

17世紀にオスマン帝国とペルシア帝国に分割されたアルメニア。19世紀後半に、トルコに対する反発が大きくなったアルメニアで、20世紀初頭、反発するアルメニア人を押さえ込もうとトルコ人によるアルメニア人大虐殺が起きる。(トルコは未だ虐殺だとは認めていないらしいが・・)

生き残ったアルメニア人も欧米諸国やロシアに散り散りとなって逃げる。

その後、ソ連の支配下に入り、旧ソ連に属していた東欧諸国がそうであったように、共産党支配下においても、彼らは決して豊かな生活ではなかった。

そこからの独立。

 

共産圏の支配がどのようなものであったかは分からないけれど、クリミアのような地域もあれば、完全離脱し、EU加盟を望む国もある。(ほとんどがそうであるようだが。)

今アルメニアは、昔の大虐殺の事実を認めようとしないトルコと対立しながらも、親ロ派が多いと言われるものの、しかし独立国家としての歩みを始めている。

そしてトルコは、この大虐殺の事実を認めようとしないことがEU諸国の反発を買っているらしく、未だに加盟できない。

 

話は飛ぶが、先日セルビアの議会選挙で進歩党が過半数を獲得。セルビアもEU加盟の機運が早まると噂されておりますが、独立したコソボを認めない限り無理、とEUからはダメ出し。

 

国の体制を変えるのは、そんなにたやすいものではない。まして、それが辛い歴史による人間の感情からなるものだとしたら、なおさらである。

不安定な東欧・中東諸国をボンヤリと思いながら、歴史の傷の深さを思い知る今日この頃でゴザイマス。