「コーカサス」と聞いて、私は初め、何のことかさっぱり分からなかった。
まあ、学生の頃は決して模範的優等生でもなく、「カフカス」と聞いて、あー、なんかそんな地名聞いたことあるな、ぐらいしか記憶がない。
黒海とカスピ海に挟まれた地方のことを英語でコーカサス(Caucasus)、ロシア語でカフカス(Kavkaz)と言う。
最も多様な民族が集結している地域とも言われ、古くから度重なる変遷を辿っている。
近代に焦点を当てると、コーカサスの地域はもともとソビエト連邦に属していたが、1991年のソ連崩壊によって、連邦からの分離独立へと向かう。
現在、完全な独立を果たしたのは、グルジア(ジョージア)、アルメニア、アゼルバイジャンの南コーカサス3国。
北コーカサスの多くの自治共和国は、独立運動をロシア当局に押さえ込まれ、未だ認められていない。チェチェン紛争は、その中でも最も激化した例と言える。
ただし、完全独立を果たした南コーカサス3国の中にも、今のウクライナとクリミアの関係のように、ロシアの色濃い(中にはロシアのパスポートを持つ国民もいる)地域もあって、独立国の中でもさらに細分化された、事実上独立国として孤立している地域も存在するのが現状である。
さて、歴史と地理の勉強はこれくらいにして、たまたまというか、ここら辺の地域に少し関心を持っていた矢先、偶然「グルジア(ジョージア)探訪」と題するセミナーを見つけたので、覗いてみることにした。
内容は、グルジア(ジョージア)の魅力を伝え、その良さを知ってもらうというのが主旨だったようですが、駐日グルジア大使が直々にお話下さるという、かなり貴重なものでございました。
普通、一般向けのセミナーに大使が出席されるって、そうそうないと思う。
我々平民にも分かるようにと、慣れない日本語で一生懸命話されている姿に、少なからず感動した次第であります。
恥ずかしながら、「コーカサス」と聞いて何?と思うくらいですから、グルジア(ジョージア)という国名すら知らないし、どこに位置するのかも分からない情けないワタクシ。
それでも、日本からは各分野でODA協力がなされているようでして、んなわけで、グルジア人の中には親日の方が多いとか。こちらが知らずとも親しみを感じてくれているなんて・・・穴があったら入りたい。
現地の魅力を紹介下さったネイチャープラスの阿原社長さんが、たまたま昨日が3月11日、東日本大震災の3年目に当たる日ということで、駐グルジア日本大使から直接聞いたというエピソードを語ってくれた。
「3年前の震災の日、ニュースを聞いたグルジアの一般庶民が、多数日本大使館へ押し寄せ、大使に直接申し出た。『日本の皆さんが住む場所がないのなら、どうぞ私の家を我が家と思って住んでもらいたい。大使から日本の皆さんにそう伝えてほしい』と。」
正直、ちょっと目頭熱くなりました。
彼らは本当にホスピタリティに溢れている、と阿原社長さんも仰っていましたが、「お客様は神様からの賜り物」と考えられている文化が根付いているらしい。
きっと、古代から多民族の中で培われた精神なのではないかと。
思うに、紛争や諍いは、一部の権力を握る者の間で頻繁に、そして今も尚、起こっているけれど、一般庶民の精神には共存共生、他を敬い崇める心が、彼ら多民族の中で生きる人々に宿るのではないか、と考える。
これは、ボスニア・ヘルツェゴビナでの悲惨な紛争で語られた一般庶民の言葉にも通じる。
「昨日まで親しくしていたのに、いきなり今日から憎めと言われてもできるわけがない」
そんな、ちょっと心温まるエピソードとともに、参加者には、なんとワインとミネラルウォーターとヨーグルトの試飲、試食が。わーい!!! \(^o^)/
グルジアは、ワインの発祥の地、って知ってました?(当然私は知らんかった)
この3大名産物(ワインとミネラルウォーターとヨーグルト)が、彼らの長寿のヒミツだとか。
ん~、んま♪んま♪寿命1年くらい伸びたかしら。
これはヨーグルト。
ローソンにも売ってるってよ。
んなわけで、私のグルジアとの出会いの一日でありました。
訪れたい国が、又一つ増えましたわ。
こりゃ、長生きせんと。。