伊人オヤジの趣味から生まれた露天風呂 in トスカーナ

 

寒いのが大の苦手なワタクシではありますが、日本人でよかった~と思う瞬間は、寒空を眺めながら温泉に浸る瞬間。

そう言えば、最近とんと、ご無沙汰しております。

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あかの他人どうし素っ裸で一緒にお風呂に入る慣習は、たぶん日本だけじゃないかと。

世界各地、Hot Springはあって、保養地なぞと観光地化されている場所もありますが、日本のように素っ裸で入ることはまずない。皆水着を着用して、男女わきあいあい、浸っております。

ま、一応混浴なんでしょうな。

 

さて、オヤジの趣味というにはかなり本格的といいますか、我々日本人よりも日本文化に没頭し日本文化を愛する伊人オヤジ、エルポンス氏。

大学時代に哲学に興味を持った彼、九鬼周造「『いき』の構造」との出会いがその始まり。

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)/岩波書店

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日本の「粋」の文化について書かれているようですが、まー、私なんぞの凡人が読んでもちっともわかりません。

 

多趣味多才のエルポンス氏の素性は、オリーブ農園を経営し、エクストラ・ヴァージンオイルメーカーのオーナー。

日本の文化に傾倒する彼は、日本との交流を計りたいと日本文化とイタリア文化の融合した商品「七味オイル」を開発。

ホー、辛そう・・

しかし、商品の開発だけではまだ物足りない、日本滞在中に経験した温泉の感動を再現しようと、自ら設計図を引き、大量の石をトラックで運び、職人さんと一緒に自宅に露天風呂を作り上げてしまった。

スゴイ根性というか、情熱というか。

山並みに沈む夕日を眺めながら湯につかる。

これが彼の一日の終わり。何とも羨ましい限り。

 

そして、これを見知らぬ人にも開放しようと考え、ついに旅館「ポンテのゆ」のオーナーに。

イタリアトスカーナの山間に、突如として日本風物詩の代表とも言える「露天風呂旅館」たるモノが出現してしまったのだ。

 

異文化に触れて、あー、いいね、凄いね、と感動する人は大勢いる。そして、最もらしくウンチク述べる人も大勢いる。

けれど、文化とは、日常生活に溶け込んで初めて息づくもの。

いつか「ポンテのゆ」を訪れてみたい。