震えるにもホドがある「耐震・免震・制震」の違い

 

 

春の嵐なる強風に見舞われた今日の東京。

空は快晴で、ほら!

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東京スカイツリーもくっきり。

 

もともと下町の、いっちゃー何だが、パッとしない城東地区一帯地域が、近頃、にわかに人気らしい。スカイツリーが見えるってことが、ちょっとはプラスになってるのか。

今日のご依頼先のお部屋からも、真正面にドカン。

ほー。夜景はさぞ見事なもんでしょうな。

ちなみに、自慢じゃないが、スカイツリーへは登ったこともないし、夜景も未だお目にかかったことはない。

誰か連れってくれ!

 

さて、一昨日の新耐震の記事に関連して、耐震の話をもう少し。

もう、いいよって方は、ここでページ閉じてもらっていいです。。。(泣)

 

調査のご依頼で一番多い質問は「この物件の耐震性ってどうでしょう」というもの。

どうでしょう、と言われても・・・正直答えに窮する。

 

法改正以前の旧耐震基準で建てられたものならば、「耐震性は現基準と比較して低いです」という答えになるのだけれど、現基準で建てられたものについては、素人さんに分かりやすく説明できる指標がない。

唯一あるとすれば、性能評価書。1から3までの3段階で耐震等級が示されている。

ちなみに、等級1は、建築基準法レベル。

等級2は、基準法の1.25倍の強度、等級3は基準法の1.5倍の強度を保有する。

が、性能評価書をとるのは建築主の任意なので、なければ通常は基準法レベルと思って間違いない。

ま、最低ラインはクリアしてます、といったところでしょう。

 

もひとつ、よくごっちゃに考えがちなのが、耐震と免震と制震。

これ全部別物です。

 

耐震は、字のごとく、建物構造体の耐力を強化して地震に耐える方法。

上記の耐震等級で、2とか3レベルまで構造耐力を上げたりすること。

免震は、いわゆる装置のこと。

よく、チラシなんかで、免震構造とか書いてあるけど、要するに構造体に免震装置を組み込んであるっていうこと。

一般的には、基礎に積層ゴムなんかをかませて、地震の揺れを建物に直接伝えないような仕組み。

制震も、装置。

建物上階あたりに、制震ダンパーなどを組み込ませて、建物に伝わった揺れをダンパーで抑制する仕組み。

屋上に水槽を置いたりするケースもある。

 

ちなみに、東京スカイツリーでは、制震装置。

こういったヒョロ長いタワーの場合は、地震だけでなく風の振動もあるので制震ダンパーが有効。

620mと625mの位置に、2基設置されているそうだ。

あと、面白いアイディアとして、中央の心柱を重りに見立てた制震システムも取り入れている。

この原理は五重塔と同じ。

まさにスカイツリーは、現代の最新技術と伝統的構法が出会って生まれた産物なのだ!