イメージで語られる職業と背負う虚像

小心モノではゴザイマスが、ワタクシ普段、人からどう見られているかとか、自分が♀だとか、そんなに気にしないンです。

ていうか、仕事の場面でいちいちそんなこと考えてらんない。

もちろん、人に不快感を与えない程度には、身だしなみや言動には、気をつけているつもりではゴザイマス。一応社会人ですもの、ホホホ。

 

建築業界で女性ってのも、もう珍しくも何ともないのに、未だに接頭語のように「女性」をつけて呼ばれると、正直、閉口してしまうわけで。

まあ、ひと昔前までは、完全に♂社会でしたから、わからなくもないんですけど、特に中高年レベルになると、この人たちの頭ん中は昭和のまんまか、といささかショックを受ける。

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「女性の目線でお話してもらえませんか」

「主婦の視点で何かアドバイスをお願いします」

とまあ、こんな感じでスピーチを頼まれるわけです。

あのですね、ワタクシ、主婦ちゃいますから、主婦の視点って言われてもですね・・・てか、女性の目線って何スカ?

ワタクシの頭ん中は、??がぐるぐる回ってしまうのであります。

接頭語をつければ、世間受けして注目集められるという短絡な思考に頭痛がイタイ。

 

女性建築家みたいなのがチビっともてはやされた、プチバブルの時代の残像があるんでしょうか。

こういっちゃ、夢をぶち壊すみたいでなんですが、女性だろうが、男性だろうが、ワタクシ、大きな違いはないと思っております。(私は違うわよッ!キリッ。って方もいらっしゃるかもしれませんが)

普段、こうしたことを全く意識していないので、逆に接頭語をくっつけられると、そういう見方をされるのかと、ちょっと引く。

 

特に住宅に関しては、家(生活)のことをよく理解し、自分で家事雑用をこなしていらっしゃる方は、どこがどうなっていれば使いやすいとか、自然と配慮ができるわけで、男性でも、ものすごくきめ細かい設計をされる方はゴマンといらっしゃいます。

故人で有名な方ですと、吉村順三さんとか、宮脇檀さんとか、住宅の巨匠たち。ディテールの納まりは半端ない。

結局、作り手の性格や人となりがデザインや形、隅々の配慮に現れる。

 

思うに、こうした配慮というのは、作り手の相手に対する思いやりではないかと。

使う相手のことを想い、アレコレ考えを巡らしてこそ生まれるものと思うのであります。

(だから建築は芸術作品とは違うノダ)

 

いろいろな職業があって、それぞれに人が抱くイメージがあるのは当然です。

けど、こういう風に見られたいって思って仕事をするのと、実際にイメージ通りの仕事をこなしているのとは、全く違う。

仕事ができる人間に見られたいって思って仕事している人と、実際に仕事ができる人って、そもそも向き合ってる本質が違うわけですよ。

イメージは大事だけれど、でもそれがその人の本質ではないし、それだけで相手を判断してしまうのもどうかと思う。

まあ、職業によって性格も変わるってこともあるけど。

 

あまりいいイメージのない業種の人と初対面で話してて、いい意味で印象を裏切られると、何か気持ちいい。

ワタクシの場合は、たぶん、逆パターンかもwww 悪しからず。