アホっぽいけど、地震時にも「使える」エレベーター考えてみた

 

例年になく、慌ただしい月でありました。

スカッとした晴天とさわやかな風の吹く5月、いつもはゆったりと空の青さを眺めるのに、今年はそんな余裕もなく(涙)、気がついたら梅雨目前じゃーないか!

ガサついた心に、「5月の空にはこんなうた」、実に染みる(感涙)

 

えー最近、何気に大きな揺れが多い気がするんですけど、気のせいでしょうか?

一昨日は、ほとんど交通機関がストップしてしまうほどの混乱状態で、久々に数年前がフラッシュバックしてきました。

電車だけでなく、エレベータも止まってしまって、高層階で閉じ込められてしまったという災難もあったようですな。

実情はわかりませんが、六本木ヒルズでは避難階段を使わせてもらえなかったとか、なんとか・・・

逃げるに逃げられない。。オソロシイ。

考えただでで、ゾッとするわ。

 

ワタクシ、これでも一応建築屋の端くれでありますんで、今回のこの閉じ込め(幸い事故がなかっただけでもよかった)と、非常時のエレベーターについて、一言二言。

 

基本的に、災害時はエレベーターは使えない。これは、良い子のみなさんならよく知ってますよね。

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なので、ただひたすら、階段を駆け下りて逃げるのじゃ。

エレベーターがあって階段のない建物は、存在しませんから。

六本木ヒルズの話が本当なら、幸い今回は被害者が出なかったからよかったものの、もしも何かの事故になれば、防災管理者は責任を問われるよ。(ピシッ)

 

基本、高さ31mを超える建物には、非常用エレベーターってのがあります(条件によって、設置しなくてもよい場合があります)。

これは、救助隊の人が、救助のために使うものであって、動くからって逃げるために使っちゃだめなのよ。

何で、31mを超える建物なのかは、単にはしご車が届かないから。(←そんなん、簡単に作れると思うけど、無理なん?)

 

ただね、この非常用エレベーターが活躍するのは、「火災」。

地震のときは、安全装置が働いて、他の一般エレベータと同じく止まる。

まあ、そりゃそうだよね、ロープでぶら下がっているだけだから、建物がユッサユッサ揺れたら、かごがぶらんぶらん状態で、昇降路の中で、ぶつかりまくるわな。(なんか映画のワンシーンのような)

で、大きく揺れた場合は、自動的に運転再開はされず、メーカー保守点検員の安全確認作業が終了しないと、復旧しない。

地震時は、交通事情もパニックになるから、すぐに来てくれるとも限らない。

大地震の後に、火災なんぞ起きてしまったら、救助もできないことになるわけだ。

 

いろいろ考えていると、マジ怖くなってきた。

思うに、今の建築基準法の「安全」だとか「避難」の考え方って、火災を想定しているものが多く、地震については、構造的技術面でカバーする、といった考えがあるような気がする。

もちろん、それはそれで大事。

けど、究極、自ら命を守る行為って、逃げることじゃないかと。

どんな状態であっても、安全な場所に自ら避難できる仕組みでないと、本当に安全とは言えない。

 

大地震が発生するたびに、このエレベーターの復旧問題が取り沙汰されていたけれど、もうね、いつ大地震がきてもおかしくないって、これだけ騒がれてるんだからさ(実際来てるし)、地震時でも使えるエレベーター、いい加減考えたらどうかね?メーカーさん。

 

って思ったら、さずが日建設計さん、考えてますなー。

「地震に強いエレベータ」

 

結局地震で問題となるのは、かごをぶら下げているロープ。

ロープでぶら下げているから、かごも揺れる。

確かに、免震は有効だと思う。

けど、免震でも、揺れることには変わりないんだよね。

 

で、思ったんだけど、リニアってのはどう?

そう、あのリニアモーターカーの原理で、昇降路の中にリニアを取り付けて、かごを移動させる。

あれって、走行中は浮いてるわけだから、揺れてても影響受けないと思うんだけど。

ただ、相当磁力を強くして、かごを軽くする必要があるかもね。

アホッぽいけど、我ながらGood だと思うんですが、エレベーターメーカーさん、どうでしょう??