最終的には価値あるものが選ばれ、そうでないものは消え失せる

 

えと、何度かこちらでも取り上げていますけど、そのー、いわゆる不動産業界、あ、日本の不動産業界のことですよ、まあ、えげつないもんですわ。(関係ないけど、えげつないって関西弁でしたっけ?)

この業界で生きてる人たちは、そういうもんだ、ぐらいの感覚でいるようですけど、なんだかんだいってもこれで不動産業界回ってんだから、ガタガタ言うなってドヤされそうですが、いえ、回ってませんから。(キッパリ)

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空き家の話はちょっと置いといて、実際のところ全住宅流通量(既存と新築)に占める既存住宅流通量の低さは、ちょっと古いデータになりますけど、先進諸国の中で飛び抜けて低い。(赤線グラフがその割合)

中古流通

日本国民の新し物好きという特異な性質はありますけど、(あ、これね、最近新しい発見あったので、また機会があればご報告します)ワタクシ、単にそれだけではないと、常々感じているのであります。

要はね、先のエントリーにも書いたように、不動産扱う側が、少々ダイレクトな言い方になりますけど、意識的にか無意識的にか情報操作をしているんではないかと。

「不動産業界はインサイダーマーケットのるつぼ」

その根本的な要因が、両手取引。

不動産取引詳しい方なら、すぐお分かり頂けると思いますが、要は、不動産仲介会社が売主、買主双方の仲介を担って、双方から手数料を貰うというやり方。

これに対し、売主、買主それぞれに仲介会社が入る(仲介会社が2社)取引が片手取引。

仲介会社にとってみれば、一件の取引で利益が倍になるわけですから、こんなオイシイ仕事はないわけですよ。

 

この両手仲介スタイルそのものは、別に違反ではないのだが、両手取引ができるよう、意図的に情報を抱え込む、つまり、不動産情報を公表せず、自分のところで留めておく、これNG。

それでも、なんのお咎めもなく、未だにこの手の商売がまかり通っているのは、「情報」という目に見えないもの故に、何とでも理由付けできるからです。

 

しかしながら、本来、売主と買主は、それぞれ相反する立場にあるわけで、少しでも高く売りたい、少しでも安く買いたいと、双方の要求が異なるところに、間に入るエージェントが同一人物であれば、意図せずとも、早く契約がまとまるように、どちらか寄りの(大抵は売主サイドに寄る)姿勢になるのは容易に想像がつくでしょう。

少々難点があったとしても、大したことではないですよ、くらいにさらっと流してしまえば、買い手側もさほど気にはしない。もっと言えば、少々のマイナス情報はイチイチ報告すらしない。

はっきり言って、両手取引は、売主買主にデメリットこそあれ、メリットなど何にもない。(両手取引だから仲介手数料割り引きます、なんていう神様みたいな仲介会社なんていませんから。)

 

どうして、こんな顧客にとってメリットのない商売方法が、いつまでたってもなくならないのか。

この業界の不透明性ですかね。

まして、不動産購入なんて、スーパーで買物するような日常的なものではないし、他と比較することもなく、こういうもんか、と燻った思いを抱えたまま、一生に一度の住宅購入で幕を閉じる。

仲介というサービスそのものを比較検討する機会もそうそうあるわけではなく、また時間もない。

 

そこに来て、ソニー。

It’s a Sony のソニーです。あ、ステマじゃありませんので、そこんとこは公平に。

先のエントリーでも取り上げましたが、彼らの事業方針は徹底して片手取引を原則とする。

「ソニーはやっぱりカリスマだった。業界に風穴開ける「ソニー不動産」」

 

彼ら、分かっているんですね。メーカー精神とでもいうのでしょうか、最終的に顧客は価値のあるものを選んでいく、ということを。

他がやっていない価値を提供するから選ばれる。

ウォークマンやプレイステーションで示された企業精神だ。

 

そうか!!顧客が選ばなくなれば、商品やサービスは自然と消えていくんだよね。

至極、当たり前のことでした。

逆にどんなに理不尽だと感じても、それしかない、それを選ばざるを得ない、となれば、いつまでたってもなくならない。当然すぎる市場の原理。

既述のように、不動産売買なんて、一生のうち何回もあるものではない。

とすると、ウォークマンやプレイステーションのように、爆発的に市場に拡大するものではないかもしれないけれど、不動産業界の特異な「口コミの強み」でもって拡大してくれることを、ワタクシ、切に切に願っておりますよ。